2020.09.22
18世紀のヨーロッパでは、〈ウソ〉や〈カナリア〉等の小鳥に、様々なメロディーを歌わせることが流行したそうだ。元々、小鳥は大いに反応し、音楽に合わせてさえずったり時に歌を覚えて模倣したりするそうだ。《ハイドン》の飼っていた〈オウム〉は、ハイドンがよくピアノで弾いていた「皇帝」(現ドイツ国歌)の冒頭を歌うことが出来たという。更に、この流行は、愛好家の趣味に留まらず、ドイツでは集団で歌を教え、その小鳥を国外に輸出するビジネスまでに発展したそうだ。当時、ベルギーの要人が外国訪問に、小鳥を伴わせ、国歌を歌わせた、という記録が残されている。私も、ピアノを弾くと、わずかな音漏れでも鳥が窓の外に現れると、聴いているのかなと、気のせいかなと、思っていたが、《音楽》は、人間のみならず多くの生き物にも影響を与える偉大な芸術であることを、私達に教えてくれる。