2020.08.04
遠藤郁子さんは、第7回ショパンコンクール批評家特別銀賞。第8回同コンクール8位のピアニストです。その後、ショパンコンクール審査員、ショパンの模範演奏をなさった方です。しかし先生は、北海道の重症心身障害施設等に出向き、無償で演奏をしたり、自分の演奏会で、『花基金』というものを設け、自分に持って来て下さる花は要らないから、病気や災害にあわれた方に寄付する活動をなさっています。ご自身も乳癌で手術をし、手も上がらない状態からピアニストへ復活なされ、その演奏は、サリン事件の被害者の回復を促した事も知られています。今コロナという災害で人々は疲労困憊してきています。しかし、遠藤先生のように、自分の出来る事で人々の役にたつ生き方をしているのは、学ぶべきです。それがピアノという音楽であるのは、大きな意味を感じます。遠藤郁子さんの、『ショパンのマズルカ集』を聴いていると、音楽が人間の生きていく過程に産まれた魂が込められているものと感じます。聴いていると、実際見たことのない、ポーランドの農民の音楽、民俗衣装の娘たちの髪飾り、歌と踊り、焚き火をたきながら夜通し続く祭りが目に浮かびます。