2020.05.29
「バーナム」というテクニックの教本は、ただひたすら指を動かすのでなく、表現と結びつけて技術的な事を身に付けよう、という意図で生まれたものです。「ハノン」はテクニックと調の習得の為の教本です。音大の定期テストでは、全長調短調を120位のテンポで弾く事が課され、出来ないと卒業出来ません。「ハノン」はある程度弾けるようになってから、「バーナム」は1番初めから使えます。この点では良いし、絵や題名がついていて表現にプラスになります。ただ1曲が短く指をバリバリ動かす感じではないので、ある程度になったら、やっぱり「ハノン」の必要性を感じます。『コルトー版ショパン』があるのですが、『コルトー』という人により曲の練習方法が書かれていて、難しい所の練習は、「ハノン」の最初のページに書かれている、色々なリズム変えなどする所に、似ています。私が2018年に、Wien国立音大でレッスンを受けた時も、弾きにくい箇所は、色々なリズム変えをして練習しなさいと、言われましたし、まずは正しく弾けて、プラス表現をつける。正しく弾けないとやっぱり困るので、「ハノン」は外せないかなと、思います。