2020.05.28
ちょっと難しい話になってしまいそうなので、何故これを話題に取り上げようと思ったかからお話します。『ショパン』の和音が美しくて是非とも皆さんに弾いてほしいのです。例えば、「ワルツ」のop(作品)34-1の3,4小節め。右手は、ソ、ラ♭、ラ、シ♭のオクターブで2つ音をつかみますが、その間にある音が、(レ♭ミ♭)なので、合計4つの音を押さえます。オクターブの音程は、完全8度といい、協和音程です。でも間にはさまっている(レ♭ミ♭)は長2度という不協和音程なのです。協和音程は2つ一緒に押さえても、不快な感じはしないのですが、不協和音程は2つ一緒に押さえると、身体がギュッってなりそうになり(人によるかもしれないけど)ちょっと不快感があるのです。でも違う感覚の和音を同時に弾くと、あら不思議、格好いい響きがするんです。そこに左手は、(ミ♭オクターブ)(ファオクターブ)(ファ#オクターブ)(ソオクターブ)と入り、尚かつ、ファ、ファ#、ソのオクターブの間に、ミ♭が入ります。文字だと分かりにくいので是非とも、音を出してみて下さい。これにより、右手のソと左手のミ♭から続けて、長3度という協和音程が生じ、何と、豊かなオシャレな響きを作り出しているのでしょうか!このように、名作曲家は美しい調べを作り出し、練習するほうも、美しい響きにうっとりしながら出来るので、楽しい時間が過ごせます。曲を完璧に弾く事ばかり、気をとられるのではなく、小さなフレーズを心地よく弾けたら喜びに繋がります。