2020.05.04
TVで疫病の歴史を解説していた。その中の1つが、ペストに罹った人を葬った、ウィーンの〈シュテファン寺院のカタコンベ〉だった。実は昨年訪問したばかりで、ガイドさんに今日最後の説明だから参加しないかと言われて、寺院の地下の階段を降りたのだった。地下だから当然ながら気温が低くひんやりして不気味な感じがしてきた。身長が2m位もあるガイドさんで、英語の説明も難しく、真剣な表情だったのを思い出した。どんな所かよく分からずに後をついていったのだが、ペストに倒れた人々を葬った場所だったのだ。医療も進んでいない当時の恐怖は、いか程のものだったろう。普段は、お祈りや、オルガンによる教会音楽の響く場所なのだ。特に、石で出来た教会は、音がよく響く。教会の中に一歩入れば静寂の世界。その地下に人を葬ったのである。教会から出れば、『三位一体の像』ペストが終息した事の感謝。その像の表情には深い意味がある。新型コロナウィルスも、早く終息してほしいと、願うばかりである。