2020.03.12
元々、「冗談のような」「気まぐれ」という意味のある『スケルツォ』は、3拍子のリズムとA-B-Aの3部構成です。ベートーヴェンは軽快で活気あふれた曲を残しましたが、ショパンは陰鬱で暗いイメージで4曲書いています。社交的性格のショパンがあえて自分のもう1つの面を出しているとすれば、それこそが「冗談」「気まぐれ」だったという事かもしれません。『バラード』も4曲。元は、中世フランスの舞踏曲でしたが、ドイツ、ロマン主義の詩人達によって「物語詩」を意味するようになりました。楽曲にタイトルを付けるのが嫌いだったショパンは、文学作品の影響を全面に出した当時の音楽家達とは違い、ロマン派に分類されますが、心情的には、古典派の音楽に近かったと言えます。