2020.03.08
ベートーヴェンの楽曲が使われているコミック作品を紹介します。『オルフェウスの窓』池田理代子作。ドイツの音楽学校に通う3人の若者が様々な苦難に挫折しつつ、乗り越えていく物語。貧しい出身ながら才能ある〈イザーク〉は妬まれて演奏会を妨害されるも、開催にこぎつけた。彼の喜びの演奏と観衆の大喝采の感動の名場面で演奏されたのが、ピアノ協奏曲〈皇帝〉です。これを読んで音大を目指す人が急増したという、逸話も残ります。ソナタ「テンペスト」を選んだのは、『ラヴァーズ.キス』と『籠の鳥』の2作品。複雑な家庭環境や恋愛模様に傷つきながらも、成長していく前作品。後作品は、華々しく活躍する兄のピアニストを越えられない弟が、自分の音に目覚めるまでを描いたものです。どちらも、曲名さながら、心の奥に渦巻く葛藤を描いています。現在、コロナウイルスで家でもやもやしている方々、普段目にしない物語をちょっと覗いてみるのも、いいのではないでしょうか。