2018.03.30
盛況のうちに終わりました!
約1年間、稽古ピアニストとして関わらせて頂きました。
キャスト、合唱、バレエ、オーケストラ、舞台、照明、音響…関わるスタッフ総勢200人程の力を集結させて、そして聴きに来て下さった1000人以上のお客様の笑いと拍手、どれが欠けてもこの公演は成功しなかったと思います。
堀口文成先生による観客が抱腹絶倒する地元ならではの台本と演出、指揮者の小島岳志先生は最後まで稽古ピアニストにも細かいニュアンスを求め熱心に指導して下さいました。オーケストラの静岡フィルハーモニーは会場入りしてからグングン良くなっていきました。
私はピアニストが“伴奏者”と呼ばれるのが嫌いで弾かせてもらう時はいつも共演者だと思って取り組んでいます。小島先生との稽古は私がオランダから日本に完全帰国する際に空港でした恩師との電話の会話「音楽に対して常に正直でいて!Please be honest!」を思い出させてくれました。
オケピットにいる事が本当に好きで…アシスタント経験を多くし言葉ではなく先生や先輩から色々な技術を盗んできた、と打ち上げで話された小島先生の言葉(稽古中、私のピアノはこれで良いのか、どうすると歌い手が歌い易くなるのか、もっと言葉で説明してほしい、と思っていました)には驚き、やっぱりそうだったのか!とも思いました。
別れ際に握手させてもらった先生の温かい手、かけがえのない貴重な経験をさせてもらった、と思いました。
途中まで演出助手をして下さっていたタマコさんが駐車場で待っていてくれて「観てたよ〜良かったよ〜」とハグしてくれた時は色々な思いがこみ上げてきて涙が止まりませんでした。
昨年5月にキャストと合唱団との初顔合わせがあり、8月からは演出家、指揮者との稽古が始まりました。5月の初顔合わせの時に静岡県オペラ協会の渡邉会長は20年前の公演、歌劇「カルメン」のお話しをされました。
その公演は私が高校生の時に観に行った人生初めてのオペラで、渡邉先生のお話しを聞きあの時の団体がこの団体なんだと鳥肌が立ちました。どんな小さな役でも精一杯努めること、それがいつどこで役に立つかわからない、スタッフも同じ、と。カルメンで主演を努めた青山智英子先生のお話しをされました。
青山先生は私にとって中・高・大の憧れの大先輩で英和音楽部に所属していた私は青山先生の美しく伸びやかなソロと女声三部合唱として一緒に歌わせて頂いた経験をしました。なんて贅沢な時間だったんだろう!と思います。
初めて聴くオペラ用語に戸惑い、最初は何が始まるのか、どんな風に形になっていくのかわからなかったけど、なんでも学びたいとワクワク、ドキドキしながら毎回緊張して稽古に通いました。
終わってしまった今はオペラ稽古ロスです。。。