2025.10.07
発表会のあと、子どもたちから感想を聴いていると、
「〇〇の曲が上手だった」
「今度の発表会では〇〇って曲を弾きたい」
と
それぞれが憧れの演奏や曲に出会った様子が伝わってきます
そんな中、ある4年生の女の子がふと口にした言葉
「〇番の子、よかった」
その演奏は、技術的には彼女と同じくらいか
もしかすると少し未熟だったかもしれません
それでも彼女は「よかった」と言ったのです
私はその一言に、はっとしました
「よかった」という感想は
“自分より上手だからすごい”
“あんな曲、いつか弾いてみたい”
という憧れから出てくるものだと思い込んでいたからです
でも彼女の「よかった」は、もっと本質的なものだったのかもしれません
演奏の中にある“気持ち”や“雰囲気”を感じ取って
それを素直に受け止めたからこその言葉
音楽って、技術だけじゃない
心が動いた瞬間に、「よかった」が生まれる
そんなまなざしを持っている彼女の感性に
なんだか、こっちが学ばされた気がしました
発表会は、演奏する人も聴く人も、
音楽を通してお互いの心に触れる場
憧れも、共感も、発見も、
すべてが「大切なひと時」になっていく
子どもたちの中に育まれている、
音楽を感じる力、人を受け止める力
それが、こんなふうにふとした言葉に現れるのだとしたら——
発表会って、やっぱり素敵だなと思うのです