2020.02.14
セルゲイ ポルーニンを観てきました。ポルーニンが来日するから、もうそれだけの理由でチケットを取ったのです。
リサーチ不足で一体どんな舞台なのかもよく分からないままオーチャードホールに着きました。プログラムには「アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2020」と。初めてアリーナ・コジョカルを拝見しましたがポルーニンと舞台に立っただけでこの二人がただものではないのが伝わってきました。空気がそこだけ違うというか流れる時間が他とは違うというか。全編を流れる生のピアノにのって人間の苦悩、喜びを踊るのですがそこにある姿は人間くさいのに人間ではないようで…。
揺るぎない絶対的なテクニックがあるのはもちろんですが、それを忘れさせるあの踊り!テクニックがすごいなあという人はいっぱいいますが、それが前面にでたら表現がどこかにいってしまいます。
「マルグリットとアルマン」という演目はリストのロ短調のピアノソナタに振り付けがされているのですね。印象的な不穏なテーマが繰り返し出てきます。
怪我のため4演目を予定しながら「マルグリットとアルマン」しか踊らなかったコジョカルの代理で(どこを怪我してるのかさっぱりわからないけど)二人の他のバレエ団のプリンシパルが呼ばれていました。そのうちのお一人が菅井円加さん!この偶然によって初めて生で拝見しました。こうやってハンブルクのバレエ団でプリンシパルとして活躍されて、ポルーニンやコジョカルと同じ舞台で臆することなく踊られるのがすごいなぁ。コンテとクラシックどちらも素晴らしかったです。
それにしても人間にはすごい力が備わっているんだなと思います。その人その人によってよさはそれぞれなんでしょうが確実に踊りの神さまがいて愛されている人たちがいて、でもそれは磨いて磨いてきたから愛されているんだなぁと思います。人間ってすごい!と思った舞台でした。