2023.05.25
もう何年も
毎年、毎年、
あの『古澤巌』が
小さな我が街に来て
演奏してくれている。
しかも
決して〝響きの良い〟とは言えない会館という名のホールへ。
全く月並みではあるが、
とにかく
『素晴らしかった』
マイクを使わない音楽には
全く不向きな、このホールで、
最初の一曲
最初の一音で
会場がその音で包まれ、
観客が
一つの方向に引っ張られた感じだった。
静かな音は、もちろんのこと、
激しい音も
常に
丁寧に、丁寧に発せられる。
揺るぎない基礎を常に保ち、
神からのプレゼントである音楽を
大事に、大事に
育てて
これまでの生きてきた『古澤巌の心』が
音や音楽として
聴衆に
謙虚に届けられてきた。
押し付けや
ハッタリや
奢りが
何処にも感じさせない演奏は
久しぶりだったかもしれない。
(舘野泉さんがそうだったなあ)
話すその声や話し方も
優しく、温かだった。
ピアニストが
同じようにすごかった。
伴奏なのに
各声部がポリフォニーのように聴こえてきて、
どの部分も
見事に均整のとれた演奏。
引っ込み過ぎず
個性を出し過ぎず
自分の音は終わっていても、
音楽やバイオリンに合わせて
音楽の流れのように
ピアノから手を離すなど
見事な繊細さ。
ちょうど
コンチェルトのオーケストラ役のような伴奏であった。
ソリストにとっては
何とも
弾きやすく、
充分に自分の音楽を表現できて、
また
共演していることが
楽しくなることだろう。
演奏会の最後
アンコールの時
演奏者古澤巌さんから
えっ、どういうこと⁉️
演奏会ではあり得ない、
信じられない
お客さんへのプレゼントがあった。
これは、秘密🤫
演奏会場を後にした者たちに
『音楽って・・・』を
静かに
優しく
確実に
残してくれたコンサートでした。
こんな小さな街で
昼と夜の2回公演。
しかも
演奏会前に
無料のミニコンサートまで。
申し訳ないのは、
お客さんがあまりに少ないことだった。
主催者である市の会館は
できるだけ多くの観客を集めてお迎えすることも
演奏者へのおもてなしかなと感じた。
私も、明日から
音楽へ向かう時
もっともっと謙虚に
そして何より
楽しむこと。
おふたりの演奏家から頂いた
ほんの何か、
ほんの少し、
レッスン生にもお伝えできたらなあ。