2022.08.05
「せんせ、いいかな、ひくよ❣️」
1年生Yちゃんは
曲を弾き始める時、
私を見て、この言葉を言う。
そして
とっても豊かな表情で
ゆったり、踊るように、弾く。
ピアノを始めて、1年ちょっと。
楽譜が読めるようになり、
指も動くようになり、
最近
自分の足で、
目の前の山を登ることが
どうしたらできるかが分かり、
そのことが、とても楽しそうだ。
「これって拍子が書いてないけど、どうして?」
「この記号は前に出てきたね」
いつもやっているカードの音符読みで
ヘ音記号のミは出てきたばっかりなので、入れてなかったら、
「せんせー〝ミ〟はやらないの?」
何が抜けているかが、分かっている!
すごいなあ!
楽譜って何のこと?が
分かってきたので、
Yちゃんにとって楽譜が怖くない。
楽譜は仲良しのものになってる。
見かけないものにさっと気づき、
自分の中に入れようとする。
これが
学ぶことの最良の近道かもしれないな!
「あれ!両手でも弾いてきたの⁉️」
Yちゃん曰く。
「せんせー〝できたらやってね〟って言ったから
弾いてきたんだよ」
しっかり聞いてるなあー‼️
「せんせー、先週はドリルの宿題あった?
ピロピロ(付箋紙のこと)貼ってなかったからやってないよ」
家でドリルまで出しているんだなあ‼️
お母さんもピアノをお弾きになるけれど
Yちゃんの話からすると、
分からないところだけ聞いているらしい。
「Yちゃんは毎日ピアノを弾くの?」と聞くと、
「毎日じゃないよ。ときどき弾くんだよ❣️」
と、
当たり前って顔で説明してくれる。
Yちゃんを見ていると、
誰からも強制されず、
誰とも競争せず、
弾けるようになることが、嬉しくて、
弾くことが、楽しくて、
ピアノを弾いている。
理想的。
うらやましい。
すてきだ。
「せんせー、この絵本借りてくね❣️」
絵本とレッスンバックを抱えて、
絵本から飛び出したようなYちゃんが
ふわっと帰っていった。
駐車場から
ママに話すYちゃんのゆったりした声が聞こえてきた。
さて
このYちゃんの透明な気持ちを
いかに壊さずに
伸ばしていけるか。
Yちゃんをよーく見ながら、
伴走者の気持ちを持って、
今何が欲しいのか
どんな速さで進みたいのか
見極めなくてはならないのだろう。
清々しさを置いていってくれるYちゃんに
感謝❣️