新垣隆展・その衝撃 〜展覧会・演奏会・フルコース〜
2019.09.10
バッハもモーツァルトも
ベートーヴェンもショパンもリストも・・・
その時代は、
自分の作品を自分で演奏して
世間の人に広めていった。
現代は
作曲家も演奏するだろうが
演奏を職業とする人がその作品を演奏するスタイルが
主流になった。
新垣隆さんは
自分の作品を自分で演奏して届けたい。
そんな演奏会のスタイルが
今回の演奏会であった。
だから
『新垣隆展』
たとえば、こんな感じ❣️
新垣さんのアトリエに行って
沢山の作品を眺めたり(演奏を聴いたり)
話を聞いたり
アトリエの主人とお客さんが仲良しになり・・・と。
演奏会終了時には
新垣さんと観客の距離が非常に近くなって
会場が〝皆知り合い〟みたいな空気が漂っていた。
クラシックの演奏会で
ここまでの空気感は
あまり味わえない。
何もかもが
〝一流で〟(演奏も構成も話も人間も)
しかも、実に
〝たのしい〟演奏会だった。
新垣さんの
音楽への愛情と
お客さんへのやさしさは
極上のものでした。
新垣さんのピアノ演奏、
それは
プロの演奏会で感じる
上手とか
素晴らしいとか
そういうものをはるかに超えて、
あれ!
〝ピアノで遊んでいる〟
弾いている新垣さん、
〝めちゃくちゃたのしそう〟
が、最初から最後までの衝撃的なこと。
そして、
作曲家・・だからかなあ
新垣さんのピアノを聴いていると
楽譜に書いた音は
どの音も全て、
生きている人間と同じく
ひとつ、ひとつ
確実な存在の意味がある。
全ての音に魂が見える。
出される音が
何のためにここにあるのか
とても明確に伝えられてくる。
音が
歌や
言葉になって
聞こえてくるようだった。
勿論
ピアノの凄い技術や知識やセンス等
測り知れないものが土台にあることは確かであるが、
そこにもうひとつ、
新垣さんの
音楽に対する考え方、心、人間が
音になって伝わってくる。
〝この方は、どれほど優しい人なんだろう〟
こういうことが
〝優しい〟ということなのだなあ。
後ろの席の人が
〝ピアノが弾けるっていいなあ〟
と言った。
このひと言に
新垣さんの演奏の全てがあると思う。
私も
ピアノを弾くことができる幸せを
思った。
今ピアノを習うことができている子供達に
それはとっても幸せな事なのだと
伝えていこうと
改めて思った。
私も
もっと
ピアノで遊んでみよう。
ピアノを楽しんでみようと。
どうしたら 遊べるのか
どうしたら 楽しめるのか
そのヒントが
演奏会に沢山落ちていた。
最高の演奏会に出会えました❣️