美しいとは〜 『ピアノを通して子ども達から見えてくること』
2018.09.26
1年生のRさんは
今、ピアノランドの『こいのぼり』練習中。
音もリズムも間違いなく両手で弾くことができたので
いよいよ歌いながら弾いてみる段階となった。
私の伴奏も一緒だ。
隣から聞こえてくるRさんの声に
私は「えっ!これって誰の声?」
思わずRさんを見たら
音符ではなく
楽譜の書かれているこいのぼり🎏の絵を見ながら
温かい顔で歌っていた。
8分の6拍子のゆったりしたリズムに乗った
素晴らしい歌い方だった。
このような
一見あまり特徴のないゆったりした曲だけど
Rさんの心に響く音楽だったのだろう。
一流の声楽家の歌のように
美しい音楽だった。
同じく1年生のTさん、
曲が仕上がった時はいつも
お迎えに来るお母さんに聴いてもらう。
その時は、発表会のように
きちんとお辞儀をしてから弾くことになっている。
Tさんはちょっと恥ずかしそうだけど・・・
仕上げは
私と一緒の連弾だ。
私のブレスとともに弾きだす。
たった8小節ではあるが
その何秒間かのTさんの目が素晴らしい。
毎回感動する
本当に美しい。
お母さんも
Tさんの勢い圧倒されて
毎回真剣な表情で聴いてくださっている。
そして
大きな拍手をしてくれる。
それと同時に
Tさんに
これまた美しい満面の笑顔が広がる。
3年生のEさん
バッハの『メヌエット』を練習中。
先週は後半がまだ両手で弾けてなかったのに
「今週は最後までやってきました」とのこと。
お見事!
ほとんど間違いなく両手で弾いてあった。
最初から「この曲が大好き」と言っていたし、
楽譜の隅っこには
自分の目標のような言葉も書かれている。
注意する点も自分の字で
楽譜のあちこちに書き込まれている。
だから
最後まで弾けた今日のMさんの心が
弾く姿に出ていた。
優雅に踊っている可愛らしい貴婦人のようだった。
それは
私には
真似のできない美しさだった。
5年生のMさん
ギロックの『月の光』の練習中、
右手の分散和音と左手のメロディをどう表現しようか
話し合った。
月の光は左手かな
周りの景色は右手かな
色に表したら、黄色と青かな。
そうして何回か練習してみた。
ある時
薄暗い空に浮かぶ三日月が
レッスン室に浮かんで見えた。
「きれいだったね」
と言ったら
Mさんは
とってもきれいな笑顔でうなずいた。
まだまだ、
『美しい姿』が
我がピアノ教室にはこぼれている。
続編で・・・
読んでいただいてありがとうございます😊
ある新聞に
「学校では
『明るく元気に』というスローガンが多いが
『暗く静かに』のスローガンでも良いはずではないのか」
と書いてあったのを見た。
音楽では
『暗い曲』『静かな曲』は
『明るい曲』『元気な曲』とおんなじ価値観だ。
どれも素晴らしい。
音楽で子ども達と関われて幸せと思う。
子ども達と
美しいものを求めて
明日もまた
良い時間を過ごしたい。