2016.11.06
パトリシア・パニーさんのリサイタルがオペラシティ リサイタルホールで開催されました。
フランス生まれ、イタリア育ち、現在スイス国立ベルン芸術大学で教授を務めている美しい女性ピアニストです。
彼女の演奏は1度も聴いた事がなく、レパートリーが多彩で個性的とだけ聞いていました。
サブタイトルに「テンペスト〜嵐のように」とあるように、今回のプログラムは「自然を表現する」事がテーマだったようです。
1曲目は、モーツァルトソナタK332。
確かに個性的。彼女の独特のリズム感で小気味よいノリのモーツァルト。
再現部は、装飾音やちょっとしたアレンジ?もありますが、そこは流石にピレシュ氏やスコダ氏に師事されていただけあり、嫌らしくならない絶妙な程度でまとめてあり、とても楽しく聴けました。
続くグリーグの4つの小品は、先程の音とは全く別の音色で北欧の風景と嵐と春の花が咲く喜びを描写してくれました。
いよいよベートーヴェンテンペスト。
これも3楽章通して自然の表現に徹していたように感じました。
(2、3楽章はもっと精神的な物と思っていたので)
1楽章は雷鳴まで聞こえてくるよう、3楽章は風のうねり声。
凄い迫力でした。
後半は、シューベルトヒュッテンブレンナーの変奏曲、ショパンノクターンOp.27-1、バラード2番、最後はドビュッシーの前奏曲より、帆・西風の見た物・交代する3度。
フランス人の奏でるドビュッシーは、やっぱりいいですね。
日本人の作る和食のような物?
交代する3度は、自然というより彼女のテクニックの凄さを感じましたが、最後は個性的にまとめていて、印象に残りました。
アンコールは、エリーゼのために。
「私の手にかかると、こうなるのよ」とでもいいたげに客席を見て弾き始め、ちょっとした笑いをとって弾き始め、独特の演奏。
中間部のFdur(ヘ長調)部分は、完全に舞曲。
リサイタルならではの演奏で、チャーミングなエリーゼでした^ ^
自由な演奏でもしっかりと本物を学んでいるからこそ、共感を得られるのですね。
さて、今日のSちゃん作リレー連弾タイトルは、パパゲーノとパパゲーナのアリア。
オウムの男の子と女の子が楽しく会話している様子を描いてくれました。
パパゲーノの手には、魔法の鈴が!
ちゃんと本を読んでいますね☆