2015.10.14
私はレッスンの時に、ある程度曲が仕上がってくると、「もっと心を込めて歌うように、どう弾きたいのかを聴く人に伝えるように弾いて」と言うことがあります。
明るく弾むような曲は、聴いている人の心がウキウキするように、悲しい曲やしっとりとした曲は、じーんとして涙が出るような演奏をするようにと伝えます。
そして、例えばこんな風に、、と、その曲を弾いて聴かせてあげると、生徒は「なるほど!」という顔になって、もっと心を込めて弾こうとします。
そんな時に思い出すことがあります。
それは当時小学校の低学年だったAちゃんに、彼女が練習中の曲を弾いて聴かせてあげた時のことです。
弾き終わってAちゃんの顔を見ると、Aちゃんが涙をポロポロとこぼして泣いていたのです。
私は最初、訳がわからなくて、何か悪いことをしてしまったのかとオロオロしてしまいました。
でも、そうではありませんでした。
その曲はタイトルもついていて、切ない感じの曲なので、「ここは例えば、こういう場面を表すように、こんな風に、、」と説明しながら弾いたのですが、Aちゃんはそれを聴いていたら自然と涙が出てしまったと言うのです。
私の拙い演奏を聴いて涙を流してくれるなんて、、、!
私の方が感激して泣きそうになってしまいました。
時々、感受性の豊かな子に弾いてあげるとそんなことがあります。
同じように演奏しても、誰でも涙を流してくれる訳ではありませんが、生徒さん達には少しでも聴く人の心が動くような演奏をしてほしいと思っています。
発表会ではどの子にも、私がじーんとくるような演奏をしてほしいです。