2025.01.13
平成記念美術館ギャラリーで開催されていた「池川直 彫刻展〜9人のMusaとその世界」に昨日主人と行って来ました。
池川直さんの彫刻とは2年ほど前に開催されていた個展に伺った時に初めて出会い、不思議な魅力に惹かれました。
その時にもギリシア神話に登場するMusa(女神)像を何点か拝見しましたが、今回はそこで見たものも含め9人のMusa像が完成しており、その全体が拝見できると楽しみに伺いました。
1階にあるギャラリーに入ると等身大の躍動感にあふれた女神たちが迎えてくれました。感情を抑えたような穏やかな顔つき、柔らかな衣服のひだ、軽やかな体の造形といったものが全体として優しい雰囲気を作り出し、ギャラリーを包みます。
小さな支点に支えられ、まるで浮いているように見える像もあり、バランスの取りかたが不思議でした。
またこれらの像たちの元になった小さい模型(エスキス像)もいくつか展示されていて、本体と少しずつ違っているものもありました。いろいろな経緯で模型と最終作品が違ってきてしまったという説明を受けて、芸術家の心象風景に触れたような気がして興味深かったです。
また、2階には日本家屋の和室を模した空間が準備されていて、そこにも彫刻が展示されていました。日常の中にもっと彫刻を楽しむ空間があってもいいという理念のもと、この美術館がこのような場所を作ったのだそうです。池川直さんとお父さんの池川俊幸さんの彫刻が互いに呼応するように展示されており、ほっこりする空間でした。
今回は、池川直さんご本人の丁寧な説明も聞きながらゆったりとこれらの芸術に触れることができて、主人共々いい時間が過ごせました。また、ピアノを通じてよく存じ上げている奥様の礼子先生にもお目にかかれて嬉しかったです。
実は平成記念美術館ギャラリーの場所を地図で調べていたら、何と亡き父が7年前まで暮らしていた老人ホームの近くだということがわかりました。ギャラリーには用賀駅からバスで向かったのですが、これがかつて父に会うためによく乗っていたバスで、その車窓からの景色を眺めていると父のことが思い出され、感慨深かったです。