2024.10.10
バルセロナと言えば天才建築家アントニ・ガウディの未完の傑作サグラダ・ファミリア!ただ見学するだけではもったいないと日本語のツアーも予約しました。
当日は朝10時に集合でしたが、少し早めに行ってまず外からゆっくりと鑑賞。
塔が立ち並ぶあまりに巨大なユニークな教会の姿に目を見張ります。そして工事中の梯子も見え、今なお続いている工事に長い月日とどれだけたくさんの人々の協力があったのかと思いを馳せざるを得ませんでした。
ガウディの没後100年にあたる2026年に高さ172.5mあるメインタワー「イエス・キリストの塔」が完成する予定がだったのが、新型コロナで工事が中断、3つの門のうち最後となる「栄光の門」の建設も残っていて、全体が完成するのは10年後の2034年ごろだそうです。完成するのにあと10年!
教会内部に入る東側の入り口にある「生誕の門」はキリスト誕生からの人生が全てわかるたくさんの細かい彫刻が散りばめられており、その中には日本人建築家の外尾悦郎氏の音楽を奏でる天使たちの彫刻もありました。
あまりの人でゆっくりは見られず教会の中へ。
中へ入った途端わあーと思わず叫んでしまいました。森をイメージした内部は木、切った枝の跡、シュロの葉っぱ等をイメージした柱と天井が見えます。
そして周りのステンドグラスの美しいこと、東側は青を基調としたもの、西側は赤、オレンジ、黄色を基調としたものです。今までたくさんの教会を見てきましたがこんな教会は今まで見たことがありませんでした。
ゆっくりしたいもののツアーガイドについて行かなくてはならず、「生誕の門」の反対側にある「受難の門」へ。
「生誕の門」とは全く違う直線的な彫刻で不思議な感じでした。キリスト最後の時を描いていて、その表情から弟子たちの悲しみの声が聞こえてきそうでした。
続いてエレベーターで塔の上へ。
上からはバルセロナの街並みやたくさんの塔の上にある麦やブドウの形の果物や工事している人たちを直近で見られました。
帰りはエレベーターではなく螺旋階段で145メートル降りてきました。その後に地下の博物館へ。そこで解散となりました。
ツアーガイドさんからたくさんの貴重の説明を聞けたのはよかったです。でもあまりの忙しさでツアーを解散してからもう一度ゆっくりと教会内部の森の雰囲気に浸ってきました。
今回サグラダ・ファミリアの空間に少しでもいられたことに強い刺激を受けました。
自然の中で育ったガウディの世界観をそのまま表現したようなこの空間は、森と神様は繋がっているんだということを主張しているようにも見えます。
日本人の自然信仰にもつながるような気がしてとても心休まる時間を過ごすことができました。でも、とにかく人が多くて、もう少し静かな環境で見学することが出来たらもっと良かったのに・・・
2034年の完全に完成した姿はどんなだろうかと見てみたい気持ちです。
さて、その日の衝撃はこれだけではありませんでした。カタルーニャ音楽堂の大ホールで聴いたコンサートが圧巻でした。
コンサートが始まる前に大ホールの席に座って天井をを見上げると太陽と女性たちを表現している見事なステンドグラスがありました。途中で色が変わりました。そのステンドグラスの周りには孔雀の羽根模様と無数のバラの花の彫刻。舞台の後ろの壁には18人の楽器を奏する女性たちが見えます。3778本のパイプがあるパイプオルガンも圧倒感があります。
コンサートは「バルセロナ ギタートリオとダンス」ギタリスト3人とパーカッションの演奏、そしてフラメンコダンスの加わった1時間半にわたる共演でした。
旅も終盤で疲れが溜まっていたので寝てしまうのではないかという心配を吹き飛ばすくらいの目でも耳でも楽しめる最高のコンサートでした。
ギターリスト3人とパーカッションのリズムに溢れた音楽にその時ばかりは自分もリズム感がよくなったように感じました。
そしてフラメンコダンサーのホセ・マヌエル・アルバレスの格好いいこと、彼の体の動き、靴の鳴り響く音に魅了されてしまいました。
今回の旅行では、バルデモサでショパンの見ていた空間を共有し、インスピレーションに富んだマルティン・ベラサテギの料理を堪能し、ガウディの世界観に触れ、そしてギターとフラメンコのコンサートでスペインの心を感じることができました。
たくさんの感動をいただいたスペイン旅行は終わりましたが、いろいろな刺激を受けることで自分の感性が少し研ぎ澄まされたような気がします。
この経験をピアノに活かせればいいと感じました。