2024.03.22
「2024東京・春・音楽祭」が上野で3月15日から4月21日まで開かれています。今年で20周年だそうです。
その音楽祭の中でベートーヴェン作品のスペシャリストである“ルドルフ・ブッフビンダー”が東京文化会館小ホールで「ベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会」を7日間にわたって開催しています。3月15日から始まり本日3月22日が最終日の7回目です。全曲演奏は60回以上はしているとはいえ、77歳です。体力はどうなっているのでしょう。
実はこのコンサートのことは知らず、知り合いからすごいコンサートがあると教えていただきました。地方からもわざわざ聴きに来る人も多いそうです。
チケットは残席が少なかったのですが、20日の第5回目をブッフビンダーに師事したことがある友達と聴きに行きました。
巨匠ブッフピンダーのベートーヴェンピアノソナタ全曲演奏会とあって、会場は満席で熱気でムンムンしていました。
ブッフピンダーのピアノ演奏が始まると、自然体で風のように音楽が流れ、なんと心地いいのでしょう。いろんなところからメロディが聞こえてきて、こんなメロディがあったかと新たな発見に驚きました。
室内楽活動から出発したこともあってか、まるでオーケストラを聴いているようでした。
Op.90の2楽章の美しかったこと、そして圧巻は23番の熱情でした!椅子に座るや否や構えずサッと始めるところにも驚きましたが、ハーモニーの美しさ、低音の響き、情熱的でぐいぐいと前に進む推進力、会場のお客様もブラボーの嵐でした。
アンコールがなんと月光の3楽章。熱情の後にさらっと弾いてしまう。いや、言葉にならないくらい素晴らしかったです。こんな演奏だったら全曲聴きたいと思いました。
私の友達はブッフピンダーご夫妻にも再会でき、それは喜んでいました。友達曰く、神童だったブッフピンダーは指が動きすぎるぐらい動き、何でも弾けてしまい素晴らしかったのですが、時にはもう少し内容が深いといいのにと思うこともあったそうです。でも今回の演奏はさらに深みが増して本当にいい演奏が聴けたと涙ぐんでいました。
私のことをブッフビンダーに友達だと紹介してくれて、私は嬉しくてたまりません。サインもしていただき、握手までも。大きな温かい手でした。サインを大切にします。
最終日の今日はどんな演奏をしたのでしょう。