2023.10.21
ピアノ指導者は生徒さんにピアノを教えるために常に勉強を続けています。
いろいろな地域で素晴らしい先生を中心に研究会が行われています。
私もいくつかの研究会に入っていますが、その一つにバスティンメソードを勉強している「ちば市川バスティン研究会」があります。
代表の先生は根津栄子先生。テキストをたくさん出版しています。私の生徒も使っている「こどものスケール・アルペジオ」「チェルニー30番 30の小さな物語 上巻、下巻」で、これらのテキストで力をつけています。
「ちば市川バスティン研究会」は月1回研究会を開催しています。
10月13日に第116回目の研究会がありました。今大活躍の山本美芽先生のセミナーでした。レポートを私が書かせていただいたので、ご紹介いたします。
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2023.年10月13日(金)第116回ちば市川バスティン研究会
今回は大変ご活躍の山本美芽先生に伊藤楽器船橋メンバーズルームへお越しいただきました。山本美芽先生は以前も何度かバス研でセミナーをしてくださり、その度に刺激をいただいておりました。
さて今回の内容は 40歳から目指す「弾けるピアノの先生」でした。
美芽先生は音楽ライター、ピアノ教本研究家、ピアノ講師のお仕事をなさりながら、2人のお子様を育てている主婦でもあります。40歳の時にご家族でのアメリカ駐在から帰国、育児や執筆などのお仕事でほとんどピアノが練習できない状態だったそうです。
その後10年余りかけ、悩みながら進み、今ではセミナー、執筆活動、プロの音楽家へのインタビュー、ピアノ指導者のための研究会などで益々ご多忙になられています。それだけご多忙の中、ピアノの練習時間も見つけ、コンクールにも数多く挑戦し、先日は第2回ジャパン・ジャズ・ポップ・ピアノコンペティションで銀賞、根津栄子先生のところへ月2回もレッスンに通っていらっしゃるそうです。
若い頃無我夢中で過ごし少し落ち着いてきた40歳以降、仕事と家庭とピアノを中途半端にならずに向き合うには一体どのようにすればいいでしょうか。
山本美芽先生の実体験から得たお話は大変重みがありました。
お話は3つの大きな柱を中心に進められました。。
① やる気の維持=モチベーション
② 家族との関わり方=プロモーション
③ 練習時間の捻出=タイムマネージメント
2時間たっぷりのお話からたくさんのヒントをいただき、前向きな気持ちになりました。それと同時に自分を見つめ直す大変いい機会となりました。
美芽先生のピアノに対する集中力、とことん深める徹底ぶりはどこから来るのかと思っていました。美芽先生のピアノ演奏を聴くと弾くことが楽しくて仕方がない、弾いている曲が心から好きだという気持ちに溢れています。
この好きという気持ちこそがピアノの練習時間の捻出、物事の優先順位、有効な時間の使い方、そして中途半端でなく徹底的に深めるということにつながっているのだと思いました。忙しさにかまけてピアノの楽しさという一番大切なことを忘れてはいなかっただろうかとハッとさせられました。
人生は有限で今からでも遅くはない、一歩を勇気を持って踏み出したいと思いました。
また自分をいい状態に保つように努力なさっていることも印象に残りました。自分自身がいい状態だと人にも気配りできる余裕ができ、家族もハッピーになり家族も応援をしたくなります。美芽先生の周りにいる人、ピアノの生徒さんに対しても良い影響を与えることでしょう。
日々忙しすぎるピアノ指導者ですが、ピアノの楽しさを思い出し、これからも好きな曲を弾き続け、それを生徒さんに還元できるようになったらどんなにかいいかと思いました。
お話の後に演奏してくださったカプースチンの8つの演奏会用練習曲と斉藤守也のPHOTO ALBUMの2曲、じーんと心に響きました。
貴重なセミナーをありがとうございました!
*新刊のご案内
美芽先生の導入テキスト「ひとりですいすいひける!はじめてのピアチャレ」(音楽之友社)がもうすぐ発売です。
さらに根津栄子先生の新刊「プレ こどものスケール・アルペジオ」(音楽之友社)も11月に発売されます。
どちらのテキストも大変楽しみにしております。