2021.12.26
今年も残り少なくなってきましたね。月日が経つのは何と早いのでしょう。
そんな慌ただしい12月に入って、とても感動した2つの舞台があります。
1つは12月19日に北とぴあつつじホールであったミュージカル「ひみつの箱には、」です。
昔はミュージカルが好きでよく見に行っていましたが、今回はほんとうに久しぶり。私がお世話になっている樹原涼子先生の息子さんの樹原孝之介さんが音楽を担当されているということがきっかけでこの作品に出会うことができました。演じているのがS&Dという大学生によるミュージカルサークルです。このサークルのために脚本家・演出家のひらたあやさんがオリジナル作品として書き下ろしました。
見るまでどんな内容かは知らなかったのですが、始まるとすぐ舞台にぐいぐい引き込まれ、見終わったあとには深い感動に包まれました。
周りの目を気にしてばっかりですぐに愛想笑いをしてしまう主人公が、ある出会いをきっかけに自分自身を認めることができるようになるというお話。公演を見ながら、悩み苦しんで自分を見失いかけてしまった生徒をこの主人公に重ねてしまいました。その生徒は音楽に集中することで救われたそうで、今は元気にしていますが、等身大の自分を見ることができるようになるまで苦しかったと言っていました。世の中で自分を肯定できずに苦しんでいる沢山の人たちにもこのミュージカルを見てもらえたらと切に思いました。
もう一つの感動した舞台は12月23日に見た「古事記 一粒萬倍-五穀豊穣の物語」。
能楽、日舞、現代舞踏の和と洋の融合した舞台とのことで、私がお世話になっているチェリストの谷口賢記先生がこの舞台にチェリストとして出演すると聞いて伺いました。
一体どんな舞台なのだろうと行く前にはまるで想像がつきませんでしたが、行ってみて、銀座シックスの地下3階に観世能楽堂があることにまずびっくり!そして、物語は、小鼓、和太鼓、尺八、琴などの和楽器とチェロ、ヴァイオリンの洋楽器が融合した音楽に乗せて、言葉の無い舞だけによってすすめられました。
公演が始まると、白色と静けさが支配する能の世界と、華やかな彩色が眩しい日舞の世界、そしてと目まぐるしい動きに魅了される現代舞踏の世界が入り乱れて、あっという間に2時間が過ぎました。私にとってはミュージカルとはまた別の異次元の世界で、大変印象深い日となりました。見に行った小学生の生徒たちも感激していました。
いろいろあった一年でしたが、私にとってとても新鮮な、しかも趣の全く違う舞台を2つ見ることができて、一年のいい締めくくりとなりました。
この2つの舞台に感謝したいと思います✨