2021.10.18
今日はフレデリック・ショパン(1810-1849)の命日ですね。
ショパンは39歳の若さで3つの遺言を残してパリで亡くなりました。
・未完成の楽譜は全て焼いてほしい。
・葬儀ではモーツァルトのレクイエムを演奏してほしい。
・僕の心臓を祖国にワルシャワに持って帰ってほしい。
未完のものは残したくない!なんという強い意志でしょう。あの美しいショパンの調べの中に感じる芯の強いショパンらしさというのはそんな完全を求める性格の表れなのでしょうね。
ワルシャワではショパンの命日の10月17日には、毎年その遺言にしたがってショパン追悼コンサート<モーツァルトのレクイエム>が行われます。こんな遺言を残すほどモーツァルトを心底慕っていたのですね。
21歳でフランスに渡ってから二度と故郷ポーランドに帰れなかったショパン。祖国に対する強い慕情が3番目の遺言となりました。最後を看取った姉ルドヴィカはたいへんな思いをしてショパンの心臓をほんとうにワルシャワに持ち帰りました。そして今はワルシャワの聖十字架教会の柱の中に安置されています。この教会はショパン一家が通った教会でした。
さて、10月3日から開催の「ショパン国際ピアノコンクール」は今、まさに佳境を迎えています。3次予選が終わり、明日10月18日から3日間いよいよファイナルが行われます。
ファイナリストは12名、日本人の反田恭平さん、小林愛実さんの2名がファイナルに進出、とても嬉しいです。他の国のファイナリストも個性あふれる方ばかりで本当にワクワクします💖
これまでソロ曲で存分に魅了されてきましたが、ファイナルはワルシャワ国立フィルハーモニーとの共演、1日に4人のピアノ協奏曲が聴けるなんて贅沢過ぎる時間です。そして、一体どんな音楽を繰り広げてくれるかドキドキです。
実は、コロナがなければ私も現地に行ってそこでコンクールや追悼コンサートを聴いているはずでした。それが叶わなかったので、今は現地の中継を楽しんでいます✨
生徒たちにもショパンコンクールに私が夢中になっている様子を伝えていたら、生徒たちもこの素晴らしいライブ配信、アーカイブ配信を聴いてくれています。素晴らしい演奏を聴くだけで心動かされ、勉強になりますね。
真摯に自分の音楽を求め、モーツァルトを愛し、そして異国の地で祖国に強い思いを抱きつつ数々の素晴らしいピアノ曲を残してくれたショパンに想いを馳せながら、明日からもショパンの世界を楽しみたいと思います。