2021.05.17
赤松林太郎先生のJ.S.バッハ フランス組曲全曲シリーズ第5回をZoomオンラインセミナーで5月14日に開催しました。
今回は全曲中最もよく演奏される第5番を取り上げました。
赤松先生は毎回様々な方向からアプローチしてくださり、回を追うごとにフランス組曲への理解が深まります。今回はJ.S.バッハの教育者としての側面に焦点を当ててくださいました。
教育者としてのJ.S.バッハ先生は息子達や多くの弟子達をバッハ自身が作曲した曲で教育しました。フランス組曲も教育目的で作曲されたものです。
フランス組曲の初稿は装飾音もアーティキュレーションも書いていないシンプルなものでした。装飾音の弾き方もいく通りかの弾き方があり、優秀な生徒はそのシンプルな楽譜を見て即興的にさまざまな装飾音を弾けたかもしれません。
しかしそうでない生徒にはそれぞれのレベルに合わせて丁寧に装飾音の弾き方を教えたそうです。さまざまな弾き方の中からいわばお手本となる装飾音付きの楽譜がのちに改訂版として出版されています。
生徒一人一人に合う工夫してあげていたこと知り、J.S.バッハ先生に大変親しみを感じました。
今の時代にJ.S.バッハの曲を生徒に弾かせる時、さまざまな楽譜の中でどのエディションの楽譜を使うか、装飾音、アーティキュレーションをどうするかは生徒の技量と共に考えていくことが大切だと思いました。
また、演奏家が十人十色違った演奏をする背景には、この曲が作曲された当時からさまざまに弾き方を追求してきた歴史が脈々と続いてきており、このセミナーを受講して、楽譜の見方や、演奏家の演奏を聴く時の聴き方が変わりそうです。
今回も赤松先生を通して、これまで知らなかったJ.S.バッハの教育者としての偉大さを改めて確認したような気がして感銘を受けました。赤松先生の背後にはJ.S.バッハ先生が見えたほどでした(笑)
赤松先生、貴重なセミナーをありがとうございました!
全国からご参加くださった沢山の方々、そしていつもしっかりサポートしてくださるピティナ本部の中津美和様どうもありがとうございました!
このシリーズの最終回は第6番とフランス組曲の総括です。
今年の9月24日に開催いたします。こんな素晴らしいセミナー!たくさんの方にご参加いただきたいです。ご参加お待ちしております。