2018.07.06
コントロールが利く速度以上のテンポで練習し、何度も弾き間違える。
誰もが経験ある事かと思います。
10回弾いて、最初の6回は間違え、次の4回は正しく弾けた場合、「練習して弾けるようになった」という気がするかと思います。
しかし、私の考えとしてはこれは錯覚です。何故ならば、間違える練習を正しい練習の1.5倍もやってしまっているのですから。
4小節(又は2小節)をピックアップし、ぐっとテンポを落とし、次の音を丹念にしっかりイメージして自然なポジションに正しく指をセットし、出したい音色に見合った自然な呼吸をし、深く打鍵をして身体の奥深くに浸透させる。ここまでするには、相当にテンポを落とす必要があります。
この練習を徹底できれば、最短の時間で確実な効果が上がります。
しかし中途半端では効果が半減どころか、10%くらいに落ちてしまいます。
覚悟を決めて徹底します。
今日のレッスンでは、子供たちも大人の方も全員「10回トライアル」をやってみました。
ピアノの譜面台に付箋を2枚貼り、1枚には「○」、もう1枚に「×」を書きます。
そして、正しく弾けたら「○」の付箋にチェックを入れ、弾き間違えたら「×」の方にチェックします。
7回「○」にチェックを入れられたら勝利、とします。
10回までのトライアルなので、3回ミスすると後がなくなります。
子供たちは10回も弾くのが嫌になるか、ちょっと心配しつつやってみましたら、
案外生き生きと取り組めました。
成功する度に喜びの歓声、弾く前には「キャー緊張する」、失敗したら「あ~」という声を上げながら。
普段は、失敗しても気にならずまた同じことをしてしまうかも知れませんが、
僅かな失敗でも悔しく、真剣に集中して練習できました。
そうすると、成功の5回目位から、弾けてきたという確かな実感がある様で、7回目には音色にも素晴らしい変化がみられました。
7回成功で勝利を得たら、本当に嬉しそうでした。
この練習を、自ら行ってくれたら凄く上達するでしょう。
先生の監視がない場所で徹底できるかどうか、が問題です。