2018.05.13
米国弁護士による著作の「JASRACと著作権、これでいいのか~強硬路線に100万人が異議」を読み終えました。
著作権の侵害にならないよう権利所有者を守りながらも、フェアユースについての規定ができる事を望む次第です。
海外ではフェアユース規定がある国が多く、日本では著作権侵害になるために発表できないようなアイディアを商品化し、ヒット作となって大きな経済効果を生んだ例も数多くある事を知りました。
ユーザーの創造力をもっと活用して、新たな産業が生まれるかも知れないチャンスを奪ってしまう現状は、やはり残念と言うしかありません。
これまでの判例でもJASRACに有利な判決となっているので、ユーザーも開発者も委縮してしまうそうです。
あまり気にしないで現代曲を使用しているケースもお見かけしますが、権利者の黙認によって問題にならない事が多いようです。
しかし、これからは権利者ではない第三者も、権利の侵害を見つけた際に訴える事が出来るようになったので、最低限の知識を得る事と、注意が必要です。
レッスン室内で一人の生徒に指導するために、個人レッスンで先生が弾いてみせる行為も、公衆の場での演奏とみなされて著作権侵害となる事には驚きました。
著作権法を審議するメンバーの多くが、現行の著作権法による恩恵を受けている権利者団体だそうで、どうしても改善されていかない様子です。
現状の自分たちの利益を守り増やす為ではなく、日本の将来の教育や文化の振興のためになる選択をしてほしいものです。
音楽教室等の教育機関と著作権協会が真っ向から対立する立場となっている現状は、やはり間違えていると思います。
ただ、JASRACを批判する立場で書かれた著作だけで全てを判断するのは良くないので、もう1冊読んでみようと思います。また、今後の音楽教育について、音楽を学ぶ意味を問う著作も読もうと思います。