2015.04.24
私達ピアノを演奏する者は何百何千と言う音を1つずつ、これはドだ、ミだ、と読んでいる訳では無く、図形的に捉えている?
この事を認識したのは生徒さんに
「そこ6度よ」と言うと「どうして先生は音を読まずに音程が判るの?」と言うので「だってその幅は6度でしょ?」と自分で話して幅?幅って何?
この形はソシレファ、この形はソシレミ、この形はソラドレーと無意識に図形的に把握して読んでいるのです。
随分昔、将棋の羽生名人が対局中に脳のどこを一番使っているかと言うテレビの特番で、図形を司る所が真っ赤にフル回転していました。
つまり百手先を読むと言われる将棋の棋士は1つ1つの駒の動きを考えているのでは無く、盤上の動きを図形的に捉えて次の一手を打つ?
人間の能力には図形でとらえると言う部分が有るのでは?と
(これ以上書きますとあの羽生名人と母さんの頭を比べるな!と息子に怒られますのでこの辺りで)
ただ間違えてはいけない事ですが、
基本は1つずつの音をより正確に早く読む訓練を行う、
その次にこの図形的に捉える、という読み方が来ます。
子供の頃、ピアノは1,2年で挫折した、と言われる方の多くはこの読譜が出来ていなかった方が多いのです。
何となく手さぐりで弾いて行く、
ところが、当然音の数が増えて来ると基本読譜(読譜とは音を読む事です)が出来ていない訳ですから、お手上げになる。
始めから基本読譜を1つずつ積み上げた生徒さんは、次にこの図形的読譜に自然と進み、加速度的に煩雑な音の読譜も難なく読める様になる為、
どんどん弾ける様になるーーと言う事でしょうか。
何事も急がば回れ、基本は大切ですね。