2014.06.10
ウイーン三羽烏の1人と言われ、ピアニストとしての地位を不動の物として来たスコダも来日は今回が最後。
コンサート会場へ行くと何人ものお知り合いの先生方と出会う。
やはり、皆、来られている。
プログラムはハイドン、モーツアルト、ベートーヴェンと古典派の王道を揃える。
86歳のスコダがステージ上をゆっくりとピアノの方へ向かって歩く、果たしてーー。暗譜は?手は?
スコダの指と手は、風貌とは別人の様に柔らかく、軽い。
途中、アアーと思う所もあるのですが、大御所は動じない、そして崩れない。
休憩を挟んで正味90分の演奏を弾き終える。
誰もが86歳のスコダにアンコールは望まない。
ところが、おもむろにピアノに向かうとショパンのワルツ。
まさか今日、スコダのショパンが聞けるとは--ラッキー(*^_^*)
私のお隣の方は「これ以上はお気の毒」と心配されたが、私にはスコダは「もっともっと聴かせてあげるよ」と弾きたがっている様に見えた。
すると、2曲目、今度はショパンのノクターン遺作、これが限りなく美しい。
広島のクラシックでは珍しくスタンディングオベーション。
ところが、スコダは再びピアノの前へーー。
「ウソーー((+_+))弾くの?」と周りから声がする。
やはり、スコダは弾きたいのだ。
「私のピアノを聴かせてあげるよ」と言う感じでステージ上から「ヨハンシュトラウスの~」と聞こえた。
ピッチカートポルカのオルゴール版だそうだ。
これが圧巻で、ピアノにこういう音が出せるのかと。
86歳のスコダは自分にしか作れない世界を見せつけた。
スコダは何度も丁寧にお辞儀をして満面の笑みでステージを跡にした。
また、1つ、記憶に残る演奏会が聴けた。