2024.11.11
予選で弾いた曲では完璧に仕上げても本選では通らない。
その為、予選曲より1段2段上の難曲を選曲しましたが、○○ちゃんはわずか2か月余りで仕上げて下さいました。
結果発表の時間になってもお母様からラインが来ません。
(今頃、喜びの写真を撮っているのでしょうーと)
しかし、10分経過しても、連絡が来ない。
(今頃、表彰状を受け取っているのでしょうーと)
しかし、しかし20分経過しても来ない。
何か大きなミスが有ったのだろうか?
今頃、○○ちゃんは泣いているのでは無いか?
どう言って励まそうかーと心配していると玄関のチャイムが鳴りました。
ドアを開けるとドレス姿の○○ちゃん、
「先生、これ、表彰状と盾です。」と見せてくれるので
思わず、後ろに居られたお母様に
「通ったのですか?」とお聞きすると「はい(^^)/」
「えーーどうしてご連絡無かったのですか?」とお聞きすると
「本人が直接先生に伝えたいと言うので、会場から真っ直ぐ来ました。」と嬉しい驚き。
その後、○○ちゃんとツーショットの写真を撮って頂き、その後ろには笑顔で見守られるお父様のお姿も。
良かったーー。
ピアノコンクールは大きなステージに小学生の生徒さんが一人で出て行き、一人で演奏します。
以前「蜜蜂と遠雷」と言う映画で
「コンクールに挑戦する若き4人のライバル達の物語」と書かれていましたが、映画の中では、押し潰されそうなプレッシャーを誰より知っているのは、お互い。
野球やサッカーの様なチームプレイでも無く、
柔道やレスリングの様に相手と組む訳でも無い。
ピアノコンクールの挑戦者はお互いがライバルでは無く、誰よりも一番理解し合える仲間なのです。
そう言う意味でも私はピアニストが好きです。
今年、金メダルを獲った体操の橋本選手も
「銀メダルの中国の選手達とは皆、友達です。
お互い、自分のベストを尽くした。
又、次の試合で逢おうと話しました。」と言われておりましたが、ソロのスケーターも体操選手もピアニストも一番のライバルは自分の中のプレッシャーなのです。
ショパンコンクールで2位に輝かれた反田さんも
「途中プレッシャーでコンクールはもう棄権したいと恩師に手紙を書こうと思っていたが、
同じピアニストの友人の励ましでファイナルまで行けた。」と話されておりました。
○○ちゃんも自分の中の大きなプレッシャーに打ち勝って、自分の演奏をして下さったのだと思うと本当に嬉しく思います。
○○ちゃん、おめでとうございます!!