2023.12.07
一昨年に亡くなった私の母は、高齢になると
「○○ちゃん、コレ、預かっておいて」
「コレも預かっておいて」と次々に通帳やら印鑑やら、遂には登記簿迄私に渡す様になり、母の私への信頼度は私がたじろぐ程の物が有りました。
有る時、
「お母さんは、どうして此処まで私を信頼してくれるの?」と聞いてみると
母は
「だって○○ちゃんは、小さい頃からずっと真面目だったでしょ。」と答えたのでびっくり!
エエエエーー((+_+))
そんな風に思ってくれていたの?と。
母子って不思議です。
毎日の様に電話をしたり、喧嘩したりしているのに、
私がこんな質問を母にしたのは初めてでしたし、
母がこれ程ハッキリ答えてくれたのも初めてでした。
子供にとって母親から「信頼している」と言われた幸せ。
本当に嬉しかったですね。
母は私のコンサートには何十回も何百回も聴きに来てくれましたが、褒めてもらった覚えは全く有りません。
母は私の音大進学には熱心でしたが、母自身は、戦中派で音楽とは無縁の人でしたので、
「判らない」のかな?と思っていました。
有る時、「今日の演奏はどうだった?」と聞いても
「もう、真っ赤なドレスを着るのは止めなさい!」で終わり(笑)
母が亡くなる1年半ほど前に母の老人ホームでコンサートを開かせて頂き、演奏しました。
すると職員の方が
「お母さんが泣いておられますよ。」と言いに来られたのですが、母は私の演奏を聴いて泣く様な人では有りません。
ところが、母の所へ行くと
「嬉しかった。嬉しかった。」と言って泣いているので、私ももらい泣きしました。
しかし、その後、母のホームへ行っても母は私のコンサートの話は全くしません。
話を振っても答えないので、
「もう、忘れてしまったのかなーー」と思っていました。
所が母がホームで息を引き取り、母と共にホームを去る時、職員の方々にお礼のご挨拶をしていると職員の方が
「お母さんは、○○さんがコンサートでピアノを弾かれた事、毎日、自慢されていたんですよ。
鼻高々だったんですよ。」と言われ、
エエエエーー((+_+))
そうだったんだーーと泣けました。
母が喜んでくれていたのなら、少しは親孝行が出来たのかなーと思いました。
幾つになっても自分の母親から信頼されるーと言う事程、子供にとって幸せな事は無いですね。
私は息子達にも
「貴方達を誰よりも信頼しているからね。」と伝えたいと思います。
今年も12月22日、母の誕生日が近づき、
「お母さん、沢山、沢山ありがとう。」と話しかけています。