2023.08.08
5月に母の三回忌法要を終え、息子達に
「今度おじいちゃん達の家を解体、処分する事になったから。」と話すと
「早く教えてくれよ。見に行きたいよ。」と言ってくれたので、急遽、家族全員で実家を見に行きました。
最近、私も良く「実家を処分する。」と言う話を聞きますが、子供達は其々もう、自分の家も家財一式も何もかも揃っている訳ですから、
単に家を処分するだけでは無く、両親が長く使っていた家財道具も、家電製品も、食器も洋服も布団も何もかも処分する事になる――と言う事を初めて知りました。
そして、これ程実家を処分すると言う事が辛い事かと、解体日が近づくにつれ、
ヒシヒシと感じる様になりました。
家族全員で、1部屋1部屋見て回り
「此処で皆ですき焼き食べたね。」
「此処でじいちゃんと将棋指した。」と思い出を語りながら、周りましたが、息子達も同じ気持ちを抱いたのでしょう。
感慨深げにずっと部屋に佇んでいました。
その後、門の前で全員で何枚も何枚も写真を撮りました。
20年前に亡くなった父は退職後、日記を書いていたのですが、私も全てを持って帰る事が出来ず、数冊残していたのですが、息子達が
「じいちゃんの日記を処分したらダメだよ!」
と傍に有った母愛用のトートバッグに父の日記を詰め、持ち帰り、1冊ずつ、汚れを拭き取ってくれる姿を見て、有り難いと思いました。
私はこういう事は信じない方なのですが、ふと
「お父さん、もしかして、この子達を呼んだ?」と。
弁護士の先生は
「そう言う事は有ると思います。
お父さんがお孫さん達に来てくれーーと呼ばれたのだと私は思いますよ。」と言って下さり、その先生のお優しさが又、身に沁みました。
それから1か月半程経って、息子達が日記を入れる為持ち帰った母のトートバッグに小さなファスナーが付いている事に気付き、何気なく開けて見ると中に母の手帳が入っており、驚きました。
母は父と違って、日記など書く人では無かったからです。
4,5ページに渡って、几帳面な母の字で、
その時々の母の気持ちや、父と初デートした日の事も書かれていました。
その手帳は、実家から持ち帰っていた両親の白浜での新婚旅行の写真の前に供えました。
そして
「お母さん、お父さんと結婚出来て幸せだったんだね。」と語りかけましたが、
ふと
「お母さん、もしかして、この手帳をあの子達に持って帰らせた?」
と思うお盆です。