2017.12.09
専業主婦だった母は、滅多に家を空ける事がありませんでした。
その日は父の上司宅へ年末のご挨拶に行く為、小さい妹だけを連れて
「ピアノの練習をしておきなさいよ。」と念を押して出かけました。
すると姉は一目散にピアノへ向かい、
「テクニック弾いたつもり、バイエル弾いたつもり、メトードローズ弾いたつもり」といつもの練習順にピアノの上に本を積み上げ、
「ホラッ○○ちゃんも早く積んで!」と言われ、
「お姉ちゃんは何て頭が良いのだろう(*''▽'')」と私もアリバイ工作完了。
2人でワアアーと外へ遊びに飛び出しました。
私は幼稚園、姉が1年生位だったのだと思います。
日が落ちて小雪の降る中、母は帰って来るなり玄関先で
「ピアノの練習したの?」と聞くので
姉と2人で
「した!」と答えると
何と母はその足でお隣に聞きに行ったのです((+_+))((+_+))((+_+))
当時、3階建て24軒の社宅。
上も下も右も左もピアノを習っていてお互いの関心が高かった。
お隣のおばちゃまは
「いつもあれ程聞こえて来るピアノの音が、今日は全く聞こえなかった。」と答えたので、母は激怒(>_<)
洋服ダンスから私達のコートを出すと無理やりに着せ、外へ放り出したのです( ;∀;)
姉は「入れてー入れてー」と玄関を叩きながら泣きじゃくっていましたが、私はその後ろでポツンと立っていました。
何だか嬉しかったのです。
珍しく母が居なくて寂しかった。
けれども、お母さんはお出かけをしていても、ずっとずっと私達の事を考えてくれていたんだ--と判ってーー。
もう、お母さんに嘘をつくのは止めよう。
お母さんには嘘をついても直ぐにバレてしまう。
冬の日の夕方になると、不思議な事に今でもあの日の情景と自分の心情が鮮やかに蘇るのです。