2015.04.04
この現代アートは、友人がロンドンでキュレ―ションしたものです
ロンドンの「ホワイトレインボウ」ギャラリー展で4月11日まで開催されています
「Chu Enoki」氏による銃の陳列に思わず、足がすくみましたが、呼び鈴を鳴らして中に入り、鑑賞してきました
奥の部屋にも展示品があり、映像やエッチングによる船や銃の設計図、ご自身の若かりし頃の様子と、昭和の時代をまるでタイムスリップするかのような空間が広がっていました
まず、この銃は本物ではなく、模型で、Enoki氏がまるでプラモデルを作るような感覚で幼少時代から、近くの自衛隊基地で忍び込んで遊んだ記憶とオマージュが、作品になっています
そして、ご自身のポートレート作品
30代の頃に撮り、ふっくらとしたほうが3年後の写真
シンメトリック風にとりながらも、どこか間違い探しを始めたくなるようなユニークなお人柄がじっと眺めていると伝わってきて、面白い作品でした
この風貌で、帽子をかぶり、マスクをし、工場へ出勤し、何度も駅員や、街中で連行されたり不審者扱いも受けたそうです・・・そりゃ、無理もない話・・・(-_-;)
金属加工工場で定年まで働き、趣味で絵や作品を作り続けて、御年71歳
今でも現役で続けられています
友人のリバーサイドカフェで行われた披露宴で、Enoki氏がお祝いの大砲を打ってくださったおじいちゃまでしたか~と、私は感慨深げでしたが、今はこのポートレートの面影はなく大病後にお痩せになり、小柄に見えましたが作品への情熱は今でも変わらず、お元気だそうです
ご自身の生きてきた総てがアートであり
あの銃も、並べて見せていながら、「置こうよ」という平和へのメッセージが痛いくらいに伝わり、そして大砲も、祝砲に変えて、お呼びがかかれば、鳴らしてくれるとか・・・・
戦後のお生まれで、日本の高度成長期とそして現代の混沌とした世界情勢をEnoki.氏はどのように思われているのでしょうか・・・・
公共の美術館はもとより、なかなか陽の目を見ずに、しかしながら知る人ぞ知るのEnoki氏
のユニークなアート作品展
現代アートは今生きている方にお会いできて話を聞くこともできますが、時折、印象派の絵画を見ているような感覚ではない、どこか違うツールで、心と頭が一緒に違う方向へと動いていくような、感覚になり・・・・うん?(-_-;)と思いますが
これは、音楽も同じで、古典派とは、スタイルが違います
しかしながら、バロック、古典、ロマン、現代と芸術には共通した「祈り」が作品には込められていると私は思います
その「祈り」が見ている人に、聞いている人に少しでも届くと、そこからまた広がる世界が人間にとっては最も大切になっていくのでは・・・と思います