2016.04.25
昨日午後仲道郁代さんの所有されている楽器プレイエルによる
ショパンだけの演奏会に行ってきました。
1842年製でまさにショパンが生きていた頃に作られた楽器
フランスの貴族のお家にあったものをメンテナンスして持ってきたそうです。
想像はしていたけれど、こんな音色でショパンは聴いていたんだなと
今のピアノで弾いていた曲をプレイエルで聴くのは楽しかった。
構造が弦が交差してなくてまっすぐで今のピアノのような共鳴版もなく
チェンバロに近い構造でした。
ワルツを弾く時に中音域が今のピアノのように豊かに響かないので
自然と内声が軽くなりメロディとバスと内声のバランスが自然と出来て
弾きやすそう。
今のピアノのように内声を軽く軽くと子供達に言わなくてもよさそうだった。
アンコールで遺作のノクターンを弾かれた時、最初の出だしが今のピアノだと音が伸びて豊かに弾く方が多いけれど
仲道さんは、ぽそぽそと弾かれて音の響きの少ないこのピアノならではの
出だしと1小節目に8分休符がそこにあった意味がわかった気がしてはっとした。
バラード1番は仲道さんがスタンウエィで弾かれた時聴いたことがあって
その時も大変素晴らしい演奏だったのだけれど、もう1度生でプレイエルで聴くことが出来た。
当然まったく印象の違う曲になっていて、でもどちらが好みかと言うと
スタンウエィで弾いた時のほうがこの曲のダイナミックスな所や歌う部分の音の伸びが聴いていて気持ちのいい感じがする。
ワルツを1番から8番まで演奏されたけれど、楽器と良くあって情感を胸に秘めながらさらっときちっと自然に惹かれているさまは素晴らしかった。
曲の合間のお話も品よく、面白く、大人の女性の落ち着いた話ぶり
私が学生時代にコンクールに入賞して桐朋の学生でいらした頃を思い出して、素敵な大人の女性になられた仲道さんを眩しく客席から見ていました。
帰ってから早速ピアノでショパンを弾いて、
今のピアノだとこう響くんだなと色々実験しました。笑