2018.07.01
ベネッセ教育サイトより 抜粋
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180626-00010005-benesseks-life.view-000
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「ピアノが弾けるような子になってほしい」
保護者が習わせたいものとして人気が高いピアノですが、幼児期に始めても数年でやめてしまう子が多いのもピアノです。
練習する・しないで親子でもめて険悪になることもあって、悩み多い習い事のひとつです。
この疑問をどうしたらいいのでしょうか。
ピアノは1対1のきびしいレッスンは減り、リトミック(*)や歌のグループレッスンをしたり、童謡など楽しい曲を練習させたりと、教えるほうも工夫しています。しかし、それでも上達するために練習は必須。そこをどうしたらいいか、神奈川県平塚市で個人教授歴20年の高橋典子さんと、絶対音感を身に付けさせるレッスンで知られる東京豊島区にある一音会の江口寿子さんにお話を伺いました。
「ピアノは通わせればいいというものではありません。家庭のフォローが必要です」。
やっぱりそうだと私も思いました。その覚悟、ありますか?
ピアニスト中村紘子さんは著書でこう書いています。「天才と言われる人々に共通していることは、生まれたときから音楽に囲まれて育っていたこと」と。
じっさいこれまで私が取材した、15歳でジュリアード音楽院に留学して将来を嘱望されている中野翔太さんや、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した上原彩子さんも、お母さんは音楽大学卒。生まれたときからクラシックに親しんで育ってきました。
そこでアドバイス。ピアノを始めるなら、ご家庭でクラシックのCDを聴いたり、お母さんやお父さんも弾けるなら弾いてみせてあげたりしてください。家庭に音楽があふれていて家族で楽しむところからスタートです。
上達を励まし、喜んであげて、見守ること
「ピアノのレッスンは子どもとの根くらべです。長い目で励ましてあげてください。たとえ今日練習がイヤと言っても、たまたまその日だけかもしれません。ピアノは弾けるようになると楽しい。だから長く続けることに意味があります」と高橋さん。練習はなだらかには進みません。気乗りしない日もあります。
「でも1週間に1回、レッスンの日だけ弾くのでは上達しません。毎日ピアノに向かうこと。励まして、うまく弾けたら喜んであげて、見守ってあげることが大切です」。
これを楽しめるかどうか。でも追いつめてはかえってマイナス。ピアノ嫌いにしてしまいます。あくまで家族で音楽を楽しむ雰囲気で。
発表会も有効です。目標をもって練習して大勢の前で弾けたら自信につながります。
「以前、いやいや通っているようなお嬢さんがいらしたのですが、お母さんから『試験前など夢中になってピアノを弾いて“スッキリした”と言っている』と聞き、ホッとしたこともあります。そのお嬢さんにとって音楽はとてもいい気分転換なのですね」。
そんなふうに音楽を楽しめるところまで続けるのが目標です。
お父さんを巻き込むと、さらに上達します
高橋さんが教えているやり方はスズキ・メソードです。
「家でレッスン中の曲のCDを聴いて耳で覚えて、楽譜を見て弾けるように指導します。毎日聴いているのでおどろくほどむずかしい曲を弾くことができますね」。
スズキ・メソードは耳で覚えて弾くのが基本ですが、高橋さんは楽譜を読めるように指導しています。楽譜が読めるようになればひとりで音楽を楽しめます。