2022.07.16
どうしても取り組んでほしい練習が、「ス・カ・ア」です。スケール・カデンツ・アルペジオを略してこう呼んでいます。日本語で言ったら、音階・終止形・分散和音と言います。
明るい調が12、暗い調が12、全部で24個のスカア、どうしたら興味をもって楽しんで取り組んでくれるか考えました。楽譜もいろいろ出ていますが、行き着いたところは、手製のカードを使って並べてスカアの仕組みを理解し、それぞれの技量に合わせて少しずつバージョンアップしていきます。そして自分だけのスカア楽譜を作る!スカアテスト実施、弾けなくなってしまった調のスカアカードは返却!
ちょっと厳しいですかね?
それでもなぜか頑張ってくれている生徒さんたち。
「どうしたらきれいに弾けるだろう?」 集中することの楽しさと達成感を味わっているからだと思います。マスターしたらご褒美は何がいいかな~?みんなと相談しているところです。楽しみに選んでおきますね。
保護者会でご質問がありました。
「なぜスカアをマスターしなくてはいけないのですか?」
「ピアノを習っていましたが、弾いたことありませんでした。」
スカアは、音楽の仕組みの基本の基、
作曲する人は、何調で作ろうかな~?どんな和音を選んで素敵にしようかな~?曲の途中で違う調に遊びに行ってみようかな~?どうしたらはじめの調にもどってこれるかな~?なんてことをとても真剣に考えているのです。
その仕組みがわかれば曲の表現方法も理解できるというもの。
ピアノは白鍵と黒鍵でできていて、山あり谷ありです。そこに違った個性の5本の指で粒をそろえて24の調の音を美しく並べること、響きを感じることができる技を身につけると、ピアノがとても上手に弾けるようになること間違いありません。
なぜなら楽譜を見ると、音楽はスケールとアルペジオとカデンツでできていることが一目瞭然だからです。それに気付いた生徒さんから漏れた言葉は、「スカアやっておいてよかった~」でした。
もう1つのスカア効果があります。知っているメロディーや弾けるようになった曲をいろいろな調で自由に弾きだす生徒さん続出です。 こうしてピアノで遊んで、ゆくゆくは自分で曲が作れるようになるといいですね。
私が習っていたころは、ピアノのテクニックを身につけるには、とにかく練習曲をいっぱい弾かされたものです。今はその練習に費やす時間がない生徒さんたちだからこそ、スカアだけはマスターしてほしいのです。