2014.06.06
私がグルダに出会ったのは、今から15年くらい前、たまたまNHKでやっていたグルダのリサイタルを観て。シューマンの「夜に」を聴いて、その激しさに心奪われ、それと同時に、彼の演奏から凄い「自由」を感じました。自由といっても勿論好き勝手に弾いているのではなく、テクニックがずば抜けている上で、「自由」なんです。きっと人間も自由なんだろうなあと思いました。(これ当たってました。)
あの時初めてグルダを知って、「えっ何~!!」「凄い、このピアニスト!!」と大騒ぎしたことを今でも覚えています。
それからすぐに、グルダのモーツアルトピアノ協奏曲のDVDを購入して観ると、私があの時感じた「自由」は当たっていました。それと、グルダの演奏はすごく「自然」なんです。「ピアノを弾く」という感じではないのです。グルダが鍵盤の上に大きな手を構えたら、それだけでもう音楽が鳴っているといった感じなのです。それにカデンツアの素晴しいこと!音楽が生き生きとしていて、そして心えぐられるような激しさでどんどん追い込んで行って。でもこれが作っている感がなくとても自然なんです。このDVDはグルダの才能がいたるところに感じられて、凄く面白いです。
ベートーベンピアノ協奏曲「皇帝」も凄くいい!冒頭部なんか、他の人の演奏だと、難しいたくさんの音符をだあ~っとただ弾いているという感じですが、グルダのは、音が、音符が、音楽がキラキラしていて、もう冒頭から興奮します。
みなさん聴いてみてください。グルダ、絶対面白いので。