2014.04.20
先日、レッスンをしていると生徒さんから
「先生、こっちの指使いの方が弾きやすい~」との声。
それは、楽譜に指示されている指使いでは無かったものの、しばし検討ののち、OKを出しました。
ただし、その自分で見つけた指使いで、淀みなく弾けるまで練習するということで。
えっ、指使いの変更ってありなんですか?
今度はそんな声が聞こえてきそうですが、これは、もうケース・バイ・ケースとお答えするしかありません。
私自身が曲をさらうときは、その音楽が一番美しく演奏できる指使いを探す、さらに弾き込む途中で変更を加える、と言う作業を繰り返しているのですが
というより、そもそも、バロック以前の作品の原典譜には指使いが書いていない!当然、指使いは自分で見つけていくしか無いんですよね〜。
で、この作業がかなり邪魔くさい。
じつは譜読みの大半をこれに費やしている位です。
何故そんなに手間がかかるのか、というと
指使いで、
パッセージが弾きにくくなったり、弾きやすくなったり
さらには、そのパッセージをどう表現したいのか、
大急ぎで駆け抜けたいのか、一句一句丁寧に発音したいのか、
柔らかく繋げたいのか、決然と区切りたいのか、、、等々
指使いで全てが変わってくるからなんですね。
という訳で、 この表現の為に一番ぴったりの指使いはどれか、なんてことを矯めつ眇めつしていると、まぁ時間のかかることかかること。
と、私自身がこう言う事をしているものですから、あるレベルに達した生徒さんには、時には、楽譜とは違う指使いを提案(強制ではありません)したり、またある時は、生徒さんの提案した指使いが十分に効率的で表現に適ったものであれば、受け入れることにしています。
もちろん、これはあるレベルに達しいている生徒さんの場合で、学習の初歩では、定型の指使いを身につける、
これはまさに語義通り、考えるより身体で覚える事が必要だと考えています。
たとえば、音階。たとえば主要な和音。
こういう物は、いちいち考えてちゃ、つっかえて仕方ありませんからね。
この時期には徹底的に
パターンを覚えることが大事だと思います。
でも!それが身についてきたら、今度は頭を柔軟に、
その音楽が一番素敵に響く指使い、
私にとって一番自然な指使いを、どんどん探してもよいんじゃないでしょうか。
そう、答えはひとつじゃない!