2013.08.25
前回のお話では、シューマンの音楽に登場するコンメディア・デッラルテのキャラクター達についてお話させていただきました。
しかし、コンメディア・デッラルテと音楽との関わりを紹介するならば
F.クープランを外すわけにはいかないでしょう。
フランスバロックの偉大な作曲家
フランソワ・クープラン(FrançoisCouperin)、特に鍵盤楽器(チェンバロ)の為に沢山の魅力的な組曲を残しているのですが、意外と日本では知られていないかもしれません。
ピアノでの弾きづらさ(繊細な表現や多彩な装飾音符)、加えてピアノでは彼の音楽の魅力を十分には表現できないことが原因かもしれません。
もったいないことです。
さて、
18世紀前半フランス。F.クープランの活躍したその時代は、ちょうど
コンメディア・ デッラルテがフランスにも広まった時期であり、その上演はもとより、 影響を受けた
モリエールが登場し、かたや貴族の館では仮面を使った舞踏会などが行われていました。当然、クープランもそれを目にし、それに影響を受け、作品の中にそのエッセンスを加えました。
『フランスのフォリア(les Folies:狂乱)
あるいはドミノ( les Dominos:仮面とその衣装)』
この曲などは、その最たるものではないでしょうか。
さほど長い曲では無いのですが、その中に、それぞれ色の違う
12の仮面が登場します。各仮面には題名がついていて
処女〜恥じらい〜情熱〜期待〜貞節〜忍耐〜物思い〜コケットリー(媚びる女)〜女たらしの老人(
*パンタローネのことかな?)と時代遅れの会計婦〜お人好しのカッコウ(
*寝取られ男のこと)〜無言の嫉妬〜熱狂と絶望
とまぁ、題名を追っていくだけでも、なにやらドロドロした人間模様が浮かび上がってくるようではないですか?
クープランはこれら仮面の下の
人間の本質を
冷徹に観察し、音化したように思われます。
ここには、筋書きはありません。でも芝居の中の一瞬一瞬をすくい取り、描き留めたような、リアルな感情が浮かび上がります。
クープランの音楽、聞き慣れない耳には理解しがたく感じるかもしれません。 しかし、それは画家
シャルダン(Jean-Baptiste Siméon Chardin)や、
ワットー (Antoine Watteau)にも通じる、繊細で深みのある世界を私達に見せてくれます。クープランの音楽がもっと知られるようになればと思います。
さて、このクープランにも影響を与えた
コンメディア・デッラルテのワークショップが9月に大阪であります。ご興味あるかたは是非ご参加ください。
詳細: アトリエオガ(Atelier OGA)
http://www.atelier-oga.com/