2024.07.01
珍しくアメリカの音楽ドラマに嵌ってしまいました。
タイトルは Mozart in the jungle
実は音楽ドラマは苦手だったんですよ。
職業柄、虚構の部分が見えてしまいますし、音楽の力を使って不要に感動させようというのも嫌いでした。なので、今回も期待もせずに見始めたところ、すっかり嵌められてしまった!
舞台はニューヨーク・フィル。
そこに着任した若く、破天荒かつ繊細な(つまり芸術家肌?)メキシコ人指揮者ロドリゴ。伝統と慣習で停滞気味の楽団に動揺と反発と活気が巻き起こります。
原作となったのはニューヨーク・フィルの元オーボエ奏者の著作なのだとか。
道理で描写や事件がリアルなわけです。
名門NYフィルとは言えども、今どき資金繰りは悩みの種です。
(ましてや、公的援助のほとんどない日本の楽団は。。。)
寄附者を募るのに日々奔走する理事。
かたや楽団員、彼らとて生活者として相当の給与なしにやっていけるわけではありません。楽団員だって労働者なのです。
ついに始まるストライキ。
この時のチェロ奏者の演説には痺れました。
私たちは、人生のすべてを音楽に注ぎ込んできた。
彼らは、私たちを弱いと思っている。
でも違うんだ。さあ、私たちの力を見せるわよ。
そして公共の場である公園で演奏するんですね。
市民と共にある、公共の財としての楽団。
伝統の重み、でもそこに命を吹き込み続けることの難しさ。
誰でもが、囚人であっても(ストの後、最初の舞台は刑務所だった)享受すべき音楽の喜び。
これから始まるシリーズ第4作では日本が舞台になるようで、
ますます目が離せません。