2021.08.19
先日、久しぶりに聞いたCDでコトンと胸に落ちる詩に出会いました。
『丁度よい』 藤場美津路
お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も
お前はそれは丁度よい
貧も食も親も子も息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい
幸も不幸も喜びも
悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は
悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度よい
地獄へ行こうと極楽へいこうと
いったところが丁度よい
うぬぼれる要もなく卑下する要もなく
上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい
お前はそれは丁度よい
「地獄へ行こうと極楽へいこうと」の一行にクスリと笑ってしまいます。
人生の半ばも越して、思い描いたような華々しい成功もなく、失敗と迷惑を重ね、だからと言って格別にサボってきたわけでもなく、人生をもう一度やり直しても結局は同じところで躓くような気がします。
「丁度よい」
それは、これ以上改善の余地はないとそっぽを向くのではなく、諦めて今の状況を受忍するのでもなく、憂も喜びも美も醜も、人生を丸のまま肯定する素敵な呪文。
自由の制約を受けることの多い日常ですが
「私は私で丁度よい」
呟いて、いま出来る事をやっていきたいと思います。