2021.04.26
レッスンをしていて、面白いなと思うことがあります。
ピアノ教師の仕事は聴くこと。
もちろん言葉でのアドバイスや演奏もしますが、まずは耳を傾ける。
じっと聴いて、観察して、問題点を探しだし、分析する。
それから漸く拙い言葉で、いえ、時にはピッタリの言葉が見つからず頭を抱えて、踊ったり唸ったりしながらなんですが、、、アドバイスを始める。でも一番大事なことは聴くことなんですね。
そして面白いというのは
私が集中して聴いていると、生徒さんの演奏も集中していく。
私が苛々しながら聴いていると、生徒さんの演奏が萎縮していく。
私が一緒に息をしながら聴いていると、生徒さんの演奏も自然に流れ出す。
そして、私の集中力が切れた途端に、ぽろぽろとミスが増え始める。
一言も発っしなくとも、聴いているだけで、そういうことが起こるので、改めて人間の感覚器官ってすごいものだなと感心するのです。
こんなことを書いたのは、昨日久しぶりにライブで演奏をしたから。
演奏中の研ぎ澄まされた精神の中では、聴衆の気配が手に取るように感じられます。
一心に耳を傾けている方、とても楽しんでくださっている方。あるいは残念至極、何をしても全く反応してくださらない方(涙)、、、そして、そんなリアクションにやっぱり演奏も影響を受けちゃう。
(いや、まあミスタッチの言い訳にしかなっていませんが)
でもね、でもね
演奏会は、答え合わせじゃないんですよね。
聴くって、実はとても能動的な行為なんだな、と思いました。
ということで、私自身も能動的な聴衆を目指します!