2019.01.12
大晦日にぴったりの曲と聞いて、第九を思い浮かべる方は多いと思います。
では、新しい年を迎えるにぴったりの曲といえば?
私は、新年にふさわしい曲としてカンターテ・ドミノ
を挙げたいと思います。
Cantate Domino canticum novum
主に向かって、新しい歌をうたえ!
この聖句はキリスト教会で長く歌い継がれてきたテキストのようで、
ルネサンスから現代に至るまで有名無名の音楽家によって繰り返し、新しいメロディとハーモニーを吹き込まれてきました。
まさに、その時代時代にあった「新しい歌」となって再生されてきたわけです。
一つの歌が生まれる。
その歌が、人びとの口から口へと伝えられていく。
でも隅々まで広がって、誰もが気楽に歌えるようになったその時、そこに人知れず空虚が入り込んでくるような気がするのです。
輝いていた生命に、青ざめた疲れが滲むように
同じ歌なのに、以前ほど心が浮き立つことが無くなったら、、、
それは新しい歌をうたう時なのかもしれません。
(でも決して、歌わなくなったカナリアを捨てるということではなく。)
大事な歌(音楽)だからこそ、
マンネリズムに堕落せず、心にみずみずしく湧き上がる響きを探して、今年も精進してまいりたいと思います!