2018.12.08
とても美しいドキュメンタリー映画を見ました。
「あまねく旋律(しらべ)」
ここはインド東北部ナガランド州。
インドって広いんですね。
映像からここがインドとわかる方はどれほどいるのでしょうか。
山間に重なる棚田、雨や霧の立ち込める大気、東南アジア系の顔つき
それは日本の農村とも繋がる稲作栽培の文化圏。
この奥深い村に伝わる歌と、
その歌から引き出される村人の記憶が映し出されていきます。
多くの歌は、農作業と結びついていて、、、
そう、皆さんとっても働き者。
「僕が働いている姿を見たら、彼女も絶対僕を見直すと思うんだけど」って(笑)
田おこし、田植え、刈り取り、脱穀、籾がらを風に飛ばして、、、
その農作業の一つ一つが、ああ、かつて日本の農村でもこんな風だったのかしら、と瑞穂の国の原点を見るようでもありました。
決して楽ではない農作業だと思うのですが
歌とともに、仲間とともにすれば、
「一人ではとても背負えないと思う荷でも運ぶことが出来るんだ」と。
人は何故歌うのか?
近代化された今の日本。
そのコンサートホールで消費される音楽とは全く違うものがそこにはありました。
人と繋がるための音楽。
人と感情をわかつための音楽。
決して複雑な書法で歌われるわけでは無いのに
何度も、何度も繰り返される定型のメロディとハーモニー。
それに揺られ浸り、決して飽きることの無い豊かさ。
「もしあなたがいなければ愛は見つけられない。音楽についても同じこと。」
きっと人は本来、
生まれながらにハーモニーを知っている動物だった、そんな風に感じたのでした。