2018.09.30
台風21号が大阪の街を吹き飛ばして一週間のち、私はカナダの街におり立ちました。
人生二度目の北アメリカ大陸入り、
アメリカ文化も英語も得意ではない私には敷居の高い地域です。
積み重なった記憶の底から中学英語を思い出すも、とにかく相手の言葉がほとんど聞き取れない。
その辺りは気合と、曖昧な笑顔で何とかやり過ごしつつ、文明の機器も利用して無事帰ってまいりました。
「失敗は旅の一部」と開き直ってしまえば、少々のトラブルはむしろ旅の醍醐味と言えましょう。
今回訪れたのはオンタリオ州(トロントとその近郊)とケベック州(モントリオール)そして、首都オタワ。
カナダは多文化共生社会のトップランナーと言われています。
ピカピカ銀色に輝くビル群が建ち並ぶトロントの大通りには、まあ色とりどりの人々が行き交っていました。
そして、出会う人々の年齢が若い。
街を吹き抜ける風がなんとも開放的で、自分が異邦人であることを忘れて闊歩しました。
さて、いつもは歴史的建造物や遺跡、博物館を好んで回るのですが、この若い国で何を見るべきか?
一つ決めていたのは「アメリカ先住民族(First Nations)」の文化に触れることです。
三つの博物館を回りました。
驚いたのは、どの博物館でもFirst Nationsのセクションが博物館の最初の部屋におかれ、非常に美しく展示されていたこと。
実際は今なお問題を抱えているとも聞きますが、少なくとも、国としては先住民の文化と伝統を尊重し、誇りとしていることが伺えます。
そういえば、バンクーバーの空港で出迎えてくれたのも見上げるようなトーテンポールでした。
力強く大胆な彫刻、衣装の細やかな装飾や手芸、楽器や民芸の品々。どれもこれも魅力的で印象的。
今回は時間が足りませんでしたが、民主的で自然との調和を大事にするという彼らの社会についてももっと知りたいものです。
そして、後半で訪れたモントリオールでまた驚かされました。
何ここ。フランスそのものやん。。。。
言葉も建物も、そもそも雰囲気そのものがガラリと変わって、大西洋を渡ってフランスに降り立ったかのような錯覚に陥ります。
ここがカナダだったと気づかせてくれるのは街に並ぶエスニックのレストラン。
寿司、中華、インド、ベトナム、、、いやもう何でもあり。
無理して量ばかりが多い肉とポテトばかり食べなくても良いじゃないか、と思わず中華料理屋へ。美味しかった。
だんだん疑問が湧いてきます。
この国は、これほどまでに違う文化のコミュニティを、それも複数抱えて、どうやって一つの国として纏まっているんだろう。
例えばフランスなら「ラ・マルセイエーズ」があります。
つまり革命の旗印となった「自由、平等、友愛」の価値観を共有することでフランス人になる?
では、カナダは何を旗印に?
それが知りたくて首都オタワへの1日旅行に出かけたのですが、所々の事情(バスを乗り間違えたり)で時間切れ。
もしかしてこの多文化共生主義こそが、この国のアイデンティティーなのかしら。。。と思ったり。
結論は先送りとなりましたが今回も実に楽しい旅でした。
旅先で出会い、そそっかしい私を助けてくれた、沢山の人々に
とりわけ、Hamiltonのキヨスクの小父さんに
Thank you very much!!