2025.12.29
ピアノ協奏曲とは、オーケストラの伴奏でピアノが主役となって演奏する形態のことです。曲が書かれた時代や作曲家ごとに、曲の始まり方に違いがあります。
①待ちピアノタイプ
『序奏』(イントロ)と呼ばれるオーケストラだけの演奏のあとにピアノが出てくる、という古典的スタイル
②即ピアノタイプ
いきなりピアノだけ、またはオケとの掛け合いですぐにピアノが登場、という型破りスタイル
と、大きく二つのパターンに分かれます。
①待ちpは伝統的なパターン。まずオーケストラで曲の雰囲気を盛り上げ、聴く方も心の準備→さあ、ピアノの登場でーす!という形式。ちょっともったいぶってから華々しく主役が現れる、という効果を狙ったもの。
『序奏』(イントロ)が長いタイプの代表は、ショパン:ピアノ協奏曲第1番。最初のオーケストラ部分だけで3〜4分かかります。(ポップスの一曲分)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番も、交響曲が始まったような密度の高いオケで開始。所要時間はこれも4分近い充実ぶり。ふっとピアノの存在を忘れそうになったころ、静かに悲しみを湛えたしぶい主役(ピアノ)が登場。演劇的演出によって、運命の渦に巻き込まれていきます。
②即pは時代が進むごとに増えていきます。
♪ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
ピアノの和音から始まります。出てくるオケがピアノが奏でた調とはかけ離れた調(ロ長調の和音)から開始するという、シューベルトにも影響を与えた和音進行が絶妙で印象的な冒頭。
♪シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調と
♪グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
いきなり劇的なピアノで悲劇の幕が切って落とされるタイプ。
♪ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
スラップスティック(板を打ち合わせる打楽器)のパン!という炸裂音(鞭の一撃のイメージ)からピアノが動き出し、音楽が瞬間的に立ち上がって聴き手を引き込みます。
始まりはその曲のカラーを決める大事な瞬間。作曲家も工夫を凝らしていますね。
___________________
ところで、モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番(ジュノム)は別格です。というのはモーツァルトの時代は①待ちpのパターンが主流。しかし、生まれつき備わった鋭い感性で作品を生み出す天才モーツァルトは、この②即pの手法を本能的に知っていました。
うきうきしてこんな感じで始まりますよ。
オケ「いきまひょか?」
ピアノ「ほな、こんな感じでどうでしゃろ。」
オケ「ええでんなぁ。」
ピアノ「そやろ、このまま始めまひょ。」
(なぜ関西弁なのかは置いといて)
こんな感じの掛け合いで聴き手の心を一瞬で鷲づかみです。
聴かれてみては?♡
© Heart Piano 2025 All rights reserved.
熊本市・東区健軍ハートピアノ教室
無断転載・転用はご遠慮ください