2025.11.30
「日本語の音の名前『イロハニホヘト』は、ラからイ、ロ、ハ、ニってついてるんだよ。間違いやすいから。ラからね☆」と、レッスンではいつも念を押しているわたくしです。つまり、
ラ→イ
シ→ロ
ド→ハ
レ→ニ
ミ→ホ
ファ→ヘ
ソ→ト
しかし…。
不思議だと思いませんか?なぜドから『イロハニホヘト』じゃないの?
ドから始まる『ドレミファソラシド』はいわゆる明るい、とされている長調。
一方ラから始まる『ラシドレミファソラ』は短調。悲しい、とされています。
『イロハニホヘト』は後者の短調を元に付けられていることになります。なぜか?
それはラ起点の音階の方が起源が古く、世界中の民謡や教会音楽の世界観の元となっているからです。もちろん日本にも当てはまります。当時の短調は、イコール暗いではなく、あいまいな感じ。決して昔の人がみんな暗かったわけではありません(笑)
この古代からの感覚は、ネウマ譜(古代ヨーロッパの簡易楽譜)で教会音楽を歌ってみると分かります。ネウマ譜は、とてもアバウトで、音が「上がるよー」「下がるよー」だけ。それなのに、ヨーロッパから遠く離れた日本人の私でも、古代ヨーロッパの教会音楽をなぜか歌えてしまいます。
それは、正しい音に吸い寄せられるような、音に導かれ包まれるような不思議な感覚です。
ラ起点の感覚は、音楽の原点となる人類共通の感覚であり、心の深いところに自然と響くので、知らない教会音楽でも歌うことができます。しかも、遠い記憶や命のはかなさを感じながら…。
そんなある日のレッスンで驚愕の事件が。
日本音名の話をしようとした矢先に、小学生の生徒さんの元気な一撃。
「せんせー、それ知ってる!『ハニホヘトイロハ』でしょ!学校で習った。」と得意げ。
『ハニホヘトイロハ』?!
その時、私の脳内で桜の花びらがはらはらと散っていきました。
「色は匂へど散りぬるを…」と謡いながら…。
なんとスピーディーで簡潔な理解の仕方。
時短とはこういう事でしょうか…。
よくよく尋ねると、生徒さんはそもそも元々の『イロハニホヘト』という言葉とその意味を知りません。『ハニホヘトイロハ』と、丸おぼえすることで、知識としては効率的に習得済みでした。
キビシイ現代社会を生き抜くにはそれもあり…。
あなたはどう思いますか?
『ハニホ』派?
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