2025.10.31
朝、玄関から出るとマンゴーのアイスクリームを食べている錯覚に襲われました。ひんやりした空気に甘ーい香り。ん~。冷凍庫に入っていくような気分…。外に出ようとしているのに入っていくというナゾの感覚…。そして何も食べていないのに今の気分は確かに「おいしい」と脳が言っている…。
『キンモクセイ』と『マンゴー』そして朝のキンと冷えた朝の空気とが、香りと色を媒体として脳内で結びついてしまったのですね。
こんなふうにいろいろな感覚が混ざって感じてしまうのは、私が普段音楽をやっているからかもしれません。
音楽にも『香り立つ』音色、『色彩豊かな』演奏という表現があります。音が香りや色を持つように感じられるのは、音楽の魅力のひとつ。これも、脳が音を嗅覚や視覚と結びつけているからです。
音楽には錯覚がつきもの。脳がだまされる、というと聞こえは悪いかもしれませんが、ファンタジー(幻想)の中にこそ感動が隠れています。
ムソルグスキーの《展覧会の絵》は、構想が絵から来ているので、その絵の色彩はもちろん、裏に隠された人々の叫びや悲しみ、時代のにおいまでも音にした作品です。
シューマン作曲《色とりどりの小品:Bunte Blätter Op.99》は14曲の小品からなる、まさにさまざまな色を感じさせる作品です。シューマンの作品はどこを切っても、それがどんなに小さな断片でも、ちゃんとシューマンの香りがするのが特徴です。
ショパン作曲《24のプレリュード》も、色とりどりの24曲から成る作品です。調性の並びに沿って整然と演奏されていくので、色彩の変化が物語のように移り変わっていきます。
そんなわけで、ここ最近キンモクセイみたいな色に敏感になってしまっているわたくしです。みかんや柿、かぼちゃの色に過剰に目が吸い寄せられています。
いつの間にか色づき始めた、ハゼノキの赤や黄色オレンジ色の葉っぱたち。子どもの頃素手で拾ってしまって、おばあちゃんが慌てて私の手を洗ってくれた思い出も、秋のキンモクセイの香りと共によみがえってきます。
秋は風の香りも空の色も夏とはまったく違いますね。この美しい季節を五感と心で楽しみましょう。
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