2025.07.15
☆命どぅ宝(ぬちどぅたから)☆
沖縄の言葉で「命こそ宝」という意味。
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沖縄の友人にお孫さんが生まれるそうです。「なんと、双子なの!」と、赤ちゃんのエコーの写真をうれしそうに見せてくださるご様子に「まさに『命どぅ宝』(ぬちどぅたから)だ。」と思いました。
胎児の成長を確認するエコー検査はクジラの使う超音波探知と同じ原理によるものです。クジラはその超音波を使って、周りの情報を得ます。
視力が良くないクジラは、コミュニケーションに聴力を使います。活動範囲が広く、光の届かない深海でエサを捕る必要もあり、目を使わないで相手の情報を察知できる超音波が発達したと考えられています。
妊婦さんが側にいるだけで、双子だということなんかクジラさんにはすっかりお見通しなのです。
そんな彼らの言葉である一連の超音波は《クジラの歌》と呼ばれます。
それは、人間が作る音楽のようにあるフレーズを繰り返します。そしてそれは組み合わせられてひとつの楽章のようになり、アレンジされたり他のパターンと組み合わされたりして何分も続き、まるでモチーフを発展させていく交響曲を形作っていくように奏でられます。
《クジラの歌》はオーケストラのように様々な音域を操ります。高周波の音域は人間の耳には聞こえませんが、驚くことにその歌の到達距離は500キロ、熊本~大阪間ほど離れた相手とクジラはその歌で会話できるのです。
ところが今、地球の温暖化は深刻で、命の源である海にも影を落としています。美しい沖縄の海も例外ではありません。サンゴなど、さまざまな海の生物が生存しにくくなっているのはもちろん、海中の音にまで温暖化の影響が及んできて、クジラのコミュニケーションも危機に陥っています。
大気中のCO₂が海中に溶ける
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海洋が酸性化
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海水が騒音を吸収しにくくなる
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人間の出す音が遠くまで届くようになり海中騒音が増加
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高周波数を使ってコミュニケーションをするクジラやイルカが混乱
すなわち大気汚染が海温の上昇や海中汚染を引き起こし、結果として海中の騒音が増大し、彼らの歌は聞こえにくくなっているのです。海洋を酸性化してしまったのも人間なら、騒音を出しているのも人間です。
さて、今年の熊本は観測史上最も早い6月に梅雨明けしました。ところがなかなか蝉が鳴きません。温暖化の昨今、土中の温度が上がりすぎてもしかして全滅してしまったのかと心配しましたが、やっと7月に入って声が聞こえ始めました。今のところ輝く太陽の下、命の限り蝉の歌を聴かせてくれています。
『命どぅ宝』大切な命。これからの子供たちの将来、地球はどうなっていくのか考えさせられる2025年夏です。
熊本市
東区健軍ハートピアノ教室
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