2025.03.15
インターナショナル・クライン・ブルーという青色は、フランスのアーティスト、イヴ・クラインの青一色の作品に使われている彼独特の色です。
ポスターカラーの青にもっと輝きを封じ込めたような強い力のある青は人を惹きつけます。
クラインは作品をモノとして見るのではなく、感じるものとしてとらえることにより、自由な想像力を呼び覚ましました。顔料を油で溶くのではなく、粉の状態の青に美しさを感じた彼は、その粉末の自由を表現するためには、地面に顔料をただ置けば、純粋な形で仕上がると考えました。
また、金色を『精神』青色を『空間』薔薇色を『生命』と捉えたクラインはこれを宇宙の三原色としました。日本滞在時には、金屏風からインスピレーションを得たとも言われています。
空虚な何もない状態においての精神的自由を追求し、作品に極限的シンプルさを求めた彼には「音楽は霊魂であり生命の表現である。」と語る音楽作品『交響曲』もあります。ただ一つの音を伸ばし続ける前半と、全くの無音の後半という構成で、聞きなれたクラシックの交響曲とは全く違いますが、彼の美術作品と同じ状態を作り出す、という点で彼の一貫した芸術ポリシーのもとに作られています。
音が鳴り続ける時間を生と捉えれば、無音の後半は死のようにも聞こえてきます。一音を空間に執拗に放ち続けた後の無音は、何ものからかの解放、精神の自由なのでしょうか。静寂の中に独特の雰囲気が漂い、聴衆はいろいろなことを思います。
空の色である青色は明るいイメージですが、このクラインの作品のように神秘的なブルーもあります。青色はその種類によって特別なパワーを持っている色の一つです。品種改良によって誕生した青い薔薇も、やはりこの世のものとは思えない特別な雰囲気で、花言葉は“奇跡”“喝采”だそうです。
熊本市
東区健軍ハートピアノ教室