2024.11.30
明夫「前回のプレリュードで最初は♯が6個もあってビビったばってん、嬰ヘ長調ていうとはよく聴くとな〜んか明るくて綺麗か調性ですなぁ。」
美香「清々しい調ですね。また、このフーガはテーマが分かりやすいですね。最初はソプラノに現れて次にアルト最後にバスに出てきますね。」
善雄「ギザギザマーク♒️プラルトリラーが鳥のさえずりみたいですね。」
HEART「さてこの曲で注目していただきたい重要な音形が7小節目に初めて出てきますよ。これ“うたた寝うたた寝”って聞こえそうな特徴的な音運びになっています。」(図参照)
芳美「16分音符の楽しい音形ですね。上下反転したりして、もう楽しくてしょうがない、みたいにずっと出てきちゃってますね。」
HEART「ここを弾く時は、リズムを立体的に感じるといいですよ。例えばその音形の高さを真似して手をたたいてみるとか。下上上下、トタタトトタタト…。」
明夫「ぼく得意ですバイ。ウタタトトタタト♬うたた寝うたた寝♬」
HEART「この軽やかで楽しい音形が、この曲を心地よく嬰ヘ長調の明るい音楽の世界へ、いざなってくれていますね。」
美香「本当に。バレエの足さばきのように空間で立体的に感じると弾きやすそうです。」
HEART「この“うたた寝”の音型はドイツ語だとunterrichten(教える)とかunterhalten(楽しませる)とかいろいろ当てはめてみると面白いですね。」
HEART「この曲は、ドイツの作曲家マックス・レーガーが“ビロードのように柔らかく繊細”と呼んだフーガです。レーガーはJ.S.バッハの188歳年下、だいたいドビュッシーと同時代の人です。」
善雄「ロマン派の巨匠ブラームスより40歳年下ですね。」
HEART「大先輩J.S.バッハを崇拝していて、自分もフーガの大家でした。後期ロマン主義の暗く重厚な音作りで、たくさんのオルガン曲や変奏曲を残しました。」
芳美「ロマン派の時代の人なのに対位法の作品が多いんですんね。」
HEART「はい。彼の代表曲《作品81《バッハの主題による変奏曲とフーガ》はJ. S. バッハ作曲の教会カンタータBWV128《ただキリストの昇天によりてのみ》のメロディーを主題として変奏曲に仕上げているピアノ曲で、演奏時間30分以上の大作です。和音が充実していて壮大なので、ピアノで弾いているのに、和音の響きがまるでパイプオルガンのように豊かです。」
善雄「バッハの音楽は後世に大きな影響を与えたんですね。」
*「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
熊本市
東区健軍ハートピアノ教室